米スタンフォード大発の起業家コミュニティーにジェトロ通じ日本企業が挑戦

(米国、日本)

サンフランシスコ発

2026年04月24日

スタンフォード大学発の非営利アクセラレーター(注1)であるスタートX(StartX)は4月9日、2026年春コホート(注2)の成果発表会を開催した。全55社が参加したコホートで、日本からは、音声データを活用したコミュニケーションサービスを展開するプニョ(PNYO)、水産養殖分野において人工知能(AI)を活用し、魚の行動や健康状態などをリアルタイムで分析する技術を開発するニューラルX(NeuralX)の 2社が登壇した。

スタートXは、一般的なアクセラレーターによる出資とは異なり、参加企業から株式を取得しない非営利モデルを採用している。スタンフォード大学の学生、卒業生、研究者を中心とした起業家コミュニティーを基盤に、これまで約3,000人の創業者を支援してきた。スタンフォード大発のコミュニティーに属する企業の総評価額(注3)は約1,900億ドル規模に達し、ユニコーン企業(注4)も20社以上にのぼる。

ニューラルXの創業者兼最高経営責任者(CEO)の仲田真輝氏は成果発表会で、米国ハワイ州の養殖企業で実施した有償の概念実証(PoC)が本契約に移行し、養殖場全体への導入に拡大したことに言及し、会場からは拍手が上がった。スタートXのサポートについて仲田氏は「スタートXのコミュニティーの中心となるアドバイザーたちはボランティアで構成されているが、非常に能動的で、助けを求めれば必ず親身になり協力してくれる。メンターとして助言した会社がユニコーンに成長する事例もあり、そうした成功体験を持つ卒業生が知見を還元する循環が生まれている。本コミュニティーに継続的に関われる環境を得られたことは、大きな強みだ」と振り返った。

写真 日本から参加したニューラルX仲田氏の発表の様子(ジェトロ撮影)

日本から参加したニューラルX仲田氏の発表の様子(ジェトロ撮影)

今回登壇した日本企業は、ジェトロの日本起業家向け支援を通じてスタートXのプログラムに挑戦し、選抜された。これについてスタートXのキャメロン・タイテルマンCEOは、「本プログラムでは、日本のスタートアップもスタンフォードの現地チームと同じ水準で評価される」と説明。その上で「こうした基準を満たした日本のスタートアップは、日米のイノベーション・エコシステムをつなぐ役割を担い、双方の連携を広げる存在となっている」と強調した。

(注1)スタートアップに対し、短期間のプログラムを通じて、メンタリングやネットワーク提供、資金調達支援などを行い、事業成長を加速させる組織。

(注2)プログラムに同時期に参加するスタートアップのグループを指す。

(注3)企業の将来性などを踏まえて算出される企業価値の評価額。

(注4)評価額が10億ドル以上の未上場スタートアップ。

(武田史織、茨木彩月)

(米国、日本)

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