米国とチリ、重要鉱物分野で協力覚書を締結
(チリ、米国)
サンティアゴ発
2026年04月23日
チリ外務省は4月20日、重要鉱物分野における協力強化を目的として、米国と覚書(MOU)を締結したと発表
した。同覚書は、重要鉱物の探鉱から採掘、加工に至るバリューチェーンの各段階において、投資促進や能力開発を進めるための協力枠組みを定めるもの。
チリ外務省で行われた署名式には、チリ側からフランシスコ・ペレス・マッケンナ外相、ダニエル・マス経済兼鉱業相、米国側からトーマス・ディナノ国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)、ブランドン・ジャッド駐チリ米国大使らが出席した。
発表によると、今回締結されたMOUは、重要鉱物分野において、投資の促進、技術的な経験や知見の共有、人材・制度面での能力開発を進めるための協力の枠組みを定めている。協力分野は、重要鉱物の探鉱や採掘から加工段階までを対象としている。
チリ外務省は、この覚書は現政権発足後の最初の90日間に掲げてきた外交・経済政策の優先事項、すなわち国際的なプレゼンスの強化、市場の多角化、新規投資を呼び込むための環境整備と合致するとしている。また、同MOUが法的拘束力を伴う義務や、優先的権利を設けるものではないとしている。実施に当たっては、両国の現行法令および規制枠組みに従うとしており、協力の具体的内容は今後の協議や個別案件を通じて具体化される見通しだ。
チリは世界最大の銅生産国であり、リチウム生産量も世界第2位だ。チリ外務省は近年、重要鉱物分野でドイツ、サウジアラビア、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、中国、韓国、日本、ペルー、南アフリカ共和国、EUなどと同様の協力文書を締結しており、今回の米国とのMOUも、重要鉱物分野における開放的で、多角的かつ排他的でない外交方針の一環として位置付けている。
チリと米国は同日、組織犯罪対策を目的とした治安分野の協定にも署名した。この協定は、チリの刑事警察(PDI)と米連邦捜査局(FBI)による連携強化を基盤とし、国境を越える組織犯罪に対抗するためのチリの能力を強化することを目的としている。
(高橋英行)
(チリ、米国)
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