ジュネーブ時計見本市に過去最多の65ブランドが出展

(スイス)

ジュネーブ発

2026年04月28日

世界最大級の時計見本市「ウォッチズ・アンド・ワンダーズ・ジュネーブ(Watches and Wonders Geneva)2026」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが4月14~20日にジュネーブ空港に隣接する見本市会場であるパレクスポで開催された。ロレックスやパテックフィリップのほか、リシュモングループのブランド、モエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)傘下のブランド、スイス独立系ブランド、日本のグランドセイコーなど同見本市では過去最多となる計65ブランドが出展外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同イベントは、前半の4月14~17日が業界関係者向け、後半の4月18~20日が一般向けとなっており、世界中の時計愛好家が最新作を直接確かめることができる貴重な機会でもある。主催者の発表によると、前年比9%増となる約6万人が来場し、6,000社のリテーラーが来場、一般公開日のチケット販売数も前年比9%増となる2万5,000枚に達した。主催者は、過去最多の出展ブランド数と記録的な来場数を指摘するとともに、時計製造エコシステムの象徴としての地位を確固たるものにしたと強調している。

スイスの2025年時計輸出額は前年比1.7%減

他方、スイス時計協会の発表(1月29日)によると、スイスの2025年の時計輸出は前年比1.7%減の255億5,240万スイス・フラン(約5兆2,200億円、CHF、1CHF=約204.29円)で、2年連続の減少となった。第2位の輸出先である日本向けが前年比5.8%減、続く第3位の中国向けが12.1%減、第4位の香港向けが6.5%減と、アジアの主要な輸出先国が軒並み減少した。また最大の輸出先であり、2024年には5.0%増を記録した米国向けも0.5%減となり減少に転じた。ただし、米国向け輸出は、関税政策により混乱したにもかかわらず、最終的には2025年の年間を通じてほぼ横ばいになった。2026年第1四半期には前年同期比2.8%増に持ち直している。

一方、日本、香港、中国向けは減少を続けており、特に中国は2026年第1四半期に時計輸出額で香港、フランスに抜かれて第5位に後退している。スイス・フランは過去最高値を更新し続けており、特に海外市場においてスイス時計の価格を大幅に押し上げている。2025年には、高価格帯のセグメントでは引き続き堅調な需要がみられたが、大部分の製品は減少傾向を示したと、スイス時計協会は指摘している。

スイス時計産業雇用者協会が2025年9月末に実施した年次調査によると、時計産業の雇用者数は前年比で1.3%減少し、市場の減速を反映しているとしている。米国政府の政策決定に伴う懸念が依然としてあるほか、中国市場が急速な回復を見込めず、世界的な地政学的状況により、消費者の信頼が依然として低い複雑な環境下で、スイス国内の生産は、特にバリューチェーンの上流部門において、依然として圧力にさらされている。時計見本市主催者の強気な対外発信は、こうした厳しいビジネス環境とのコントラストを際立たせるものとなっている。

(田中晋)

(スイス)

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