インドの2026年度経済見通し、世界銀行・ADB・IMFともに上方修正

(インド)

ムンバイ発

2026年04月17日

世界銀行、アジア開発銀行(ADB)およびIMFは、2026年4月にそれぞれ発表した最新の経済見通しで、インドの2026年度(2026年4月~2027年3月)の成長率を前回予測時点から相次いで上方修正した。各機関とも、地政学リスクの高まりによる世界経済の減速が想定される中、インドは「国内需要の堅調な拡大」「安定した金融政策」を背景に高い成長率が見込まれると示している。

世界銀行は、2026年度実質GDP成長率を6.6%と予測し、2025年10月時点の予測値から0.3ポイント引き上げる結果となった(2026年4月9日プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。国内消費の堅調さに加え、輸出の回復やEU、英国などとの自由貿易協定(FTA)交渉の進展が下支えすると評価している。一方、原油などエネルギー価格の上昇が家計の実質購買力を押し下げる可能性も指摘している。同銀によれば、インド経済は2025年度の成長率が7.6%と推計し、2026年度には国際環境の不確実性を背景にやや減速する見通しだ。しかし、潤沢な外貨準備や低インフレ率、健全な金融部門、ルピー建て中心の公的債務などにより、外部環境の変化への対応力は十分に備わっていると評価している。

ADBは、世界銀行よりも高めの見解を示しており、2026年度の成長率を6.9%と予測し、2025年12月時点の予測値から0.4ポイント引き上げた(2026年4月10日ニュースリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。2026年度からの景気減速については、世界銀行と同様、中東情勢に起因するエネルギー価格の上昇、貿易・金融情勢の不安定化などを要因として挙げている。ADBは「このような外部環境の変動による圧力は、短期的には輸出、インフレ、および資本移動の重荷となる公算が大きい」と指摘している。一方で2027年度には、外部環境が改善し再び成長が加速するという見立てを示している。

IMFは、2026年4月14日に発表した「世界経済見通し(WEO)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で2026年度成長率を6.5%と予測。2026年1月時点の予測値から0.1ポイントの引き上げとなった。全世界の成長率を3.1%と見込む中で、インドの成長率は際立って高い水準といえる。国内需要の強さや生産年齢人口の増加に加え、米国による追加関税が50%から10%に引き下げられたことは、輸出環境の改善を通じて成長見通しを押し上げる要因とみている。

(野本直希)

(インド)

ビジネス短信 d94438dc15b06d1a