ドイツ化学大手BASF、広東省湛江市の統合生産拠点が全面稼働
(中国、ドイツ、中東)
広州発
2026年04月08日
ドイツの化学大手BASFは3月26日、中国広東省湛江市で化学品統合生産拠点(フェアブント拠点)を全面稼働したと発表した。同拠点の面積は4平方キロメートルに及び、従業員数は2,000人を超える。同拠点の建設は2018年に発表され、2019年に着工し、2022年には第1工場が操業開始していた(2022年9月21日記事参照)。
今回の全面稼働で、計18基のプラントと32本の生産ラインが稼働し、年間100万トンのエチレンを生産できる体制が整った。基礎化学品や中間体など70種類以上の製品が、交通運輸、消費財、電子などの分野向けに供給される。
一体化による効率化、技術イノベーション、再生可能エネルギーの活用により、同拠点の二酸化炭素の排出量は従来型の石油化学品生産拠点と比べて50%の削減が可能としている。長期的なグリーン電力購入契約の締結や洋上風力発電プロジェクトへの投資で、同拠点では100%再生可能エネルギーによる電力供給を実現する計画。3月26日付「南方網」の報道によると、再生可能エネルギーの活用によりエネルギーコストの削減が可能となるほか、技術イノベーションにより単一原料への依存リスクも低減できるという。BASFの執行役員兼CTO(最高技術責任者)のシュテファン・コトラーデ氏は、同拠点の蒸気分解装置では混合原料モデルを採用しており、さまざまなタイプのクラッカー原料(注)を柔軟に使用できることから、原料は国際市場からの調達も、地元のサプライヤーからの調達も可能であり、生産コスト面で高い競争力を有すると述べた。
なお、中東情勢に起因する国際市場での原油価格の上昇を受け、BASFは3月4日、プラスチック用途向け酸化防止剤、加工安定剤、光安定剤製品の価格について、世界的に最大20%引き上げると発表した。その後も3月18日には、欧州向けの家庭用ケア、産業・機関洗浄(I&I)、工業処方製品の価格を最大30%値上げるとともに、欧州向けギ酸とネオペンチルグリコールの価格引き上げを通知した。さらに3月25日には、欧州向けコモディティー〔汎用(はんよう)〕アミン類の価格を最大30%引き上げると発表し、一部製品ではさらなる値上げの可能性も示された。
(注)クラッカー原料とは、エチレンなどの基礎化学品を製造する蒸気クラッカー(スチームクラッカー)に投入される原料を指し、ナフサやエタン、LPG(液化石油ガス)などが含まれる。
(梁梓園)
(中国、ドイツ、中東)
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