タイ商務省、外国人による「名義貸し」行為の取り締まりを強化

(タイ)

バンコク発

2026年04月06日

タイ商務省は3月24日、外国人がタイ国民の名義を利用する(株式保有や経営権取得などのため)「名義貸し」行為(ノミニー)への取り締まり強化策を発表した。4月1日から施行された。施行前の不正な事業登録が発覚した場合にも捜査・訴追の対象になり得る。

ノミニー対策については、商務省が1月1日に、外国株主比率が50%未満または外国人が取締役を務める法人の登記申請者に対し、タイ人による投資を確認する目的で、株主の銀行取引明細書の提出を義務付ける命令を発令していた。

同省事業開発局(DBD)によると、同命令によって、ノミニーの疑いのある登記申請は65%減少した一方、依然として規制回避の動きがみられる。特に、チョンブリ、チェンマイ、スラートターニー、プーケット、クラビなどの県で、ノミニーが横行しているという。「バンコク・ポスト」紙(3月24日付)によると、1人のタイ人の名義を用いた企業登記が100社以上あるケースも報告されている。DBDは、3月18~20日にチョンブリ県パタヤで捜査を行った後、外国人が経営する観光業4社を摘発し、業務停止命令と事業許可のはく奪の措置をとった。

商務省が公表した追加措置(商務省通達第169号)では、(1)全ての株主が正当に投資し、株式の代金を支払っていること、(2)名義人として外国人に対する支援・援助などの関与がないことを書面で証明する必要がある。提出された書面を受けて、ノミニーの疑いがある場合は、個人の氏名が、タイ王立警察中央捜査局に送付され、さらなる捜査依頼につながる可能性がある。

違反事案については、刑法第137条・第267条または1999年外国事業法第36条に基づき、罰金または懲役、もしくはその両方が科せられる可能性がある(注)。DBDは関連省庁と連携し、外国人による土地・不動産所有を禁止する法律への抵触の疑いのある2万1,459社を重点的に調査する予定だ(「ネーション」紙3月24日付)。

(注)刑法第137条・第267条の違反行為については、6カ月以下の懲役もしくは1万バーツ以下の罰金、またはその両方、あるいは3年以下の懲役もしくは6万バーツ以下の罰金、またはその両方が科せられる可能性がある。または1999年外国事業法第36条に基づく場合、3年以下の懲役もしくは10万~100万バーツ以下の罰金、またはその両方が科せられる可能性がある。

(藪恭兵)

(タイ)

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