AZEC+オンライン首脳会合開催、日本はエネルギー強靭化に向けた支援を表明

(日本、ASEAN、オーストラリア、バングラデシュ、インド、韓国、スリランカ)

調査部アジア大洋州課

2026年04月17日

日本政府は4月15日、「エネルギー強靱(きょうじん)化に関するAZEC+オンライン首脳会合」を開催した。アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)(注1)パートナー国をはじめとするアジア各国の首脳や主要な国際機関の代表ら(注2)が参加した。日本の高市早苗首相が議長を務め、中東情勢の影響を受けてエネルギー・資源の供給が懸念される中、各国のエネルギー強靱化に向けた対応について議論した。

高市首相は、日本はアジア各国とサプライチェーンなどを通じて相互依存している関係であり、アジアにおける燃料供給不足や、サプライチェーンの停滞が日本の社会経済にも大きな影響を及ぼすと指摘。深刻な懸念を共有するアジアの国々が共に対応することが必要であるとの認識の下、アジア域内のサプライチェーン強靭化を目的とした新たな協力枠組みである「アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ(パワー・アジア)」の立ち上げを発表した。日本政府は同枠組みに基づき、原油・石油製品の調達やサプライチェーン維持のための融資といった緊急協力を行い、原油備蓄制度の構築や備蓄タンク整備への協力、重要鉱物の確保、エネルギー源の多様化、省エネ促進などを金融面から支援することを表明した。協力総額は約100億ドルで、原油・石油製品の調達に換算すると、最大で約12億バレル、ASEANの約1年分の原油輸入に相当する規模となる。

また、本会合では、エネルギー安全保障、経済成長、脱炭素を同時に目指す「AZEC」に経済・エネルギー強靭化の視点を加え、「AZEC 2.0」として進化させることで合意した。

(注1)2022年1月、岸田文雄首相(当時)が「アジア・ゼロエミッション共同体構想」を提唱。水素やアンモニアなど日本のゼロエミッション技術や制度、ノウハウを生かし、アジアの国々と連携し、アジアの実情に即したかたちで、アジアのエネルギートランジション、脱炭素化・カーボンニュートラル実現を目指す日本政府主導の取り組み。

(注2)オーストラリア、バングラデシュ、ブルネイ、カンボジア、インド、インドネシア、韓国、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイ、東ティモール、ベトナムの首脳らおよびアジア開発銀行(ADB)、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)、国際エネルギー機関(IEA)の代表が参加。

(菊池芙美子)

(日本、ASEAN、オーストラリア、バングラデシュ、インド、韓国、スリランカ)

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