ドイツのダイムラー・トラック、チェコに新生産拠点設立へ

(チェコ、ドイツ)

プラハ発

2026年04月03日

ドイツの商用車大手ダイムラー・トラック(メルセデス・ベンツグループ、本社:ドイツ・シュツットガルト)は3月31日、欧州生産ネットワーク拡大・最適化の一環として、チェコ西部のヘプに「メルセデス・ベンツ・トラック」ブランドの車両の組み立て・製造拠点を新設する計画を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。チェコの新工場は、同社の主要生産拠点であるドイツのベルト・アム・ライン工場から塗装後のキャビン(乗車スペース部分)の供給を受けて組み立てを行い、同ドイツ工場およびトルコ・アクサライの既存工場における製造工程の一部を担う予定だ。同社は、2027年に新工場建設を開始し、2020年代末までに生産を開始することを見込んでいる。年間生産台数は約2万5,000台、新規雇用は1,000人超、投資額は今後数年間で数億ユーロ規模と見積もっている。

ダイムラー・トラックのメルセデス・ベンツ・トラック事業責任者のユルゲン・ディストル氏は、ヘプ新工場の意義について、「当社は生産ネットワークの競争力を強化し、コスト効率の向上と生産のあらゆる段階における最適化に注力していく」と述べ、「チェコの生産拠点が加わることで、将来的にディーゼル・トラックとゼロエミッション・トラックの両方を効率的かつ柔軟に生産するために必要なスペースを確保できる」と付言した。

カレル・ハブリーチェック産業貿易相は、「今回の案件は、まさにチェコが求めている種類の投資だ。チェコ企業に新たな機会をもたらすとともに、技術教育を支援し、チェコの経済主権を強化する」と評して歓迎した。また政府が定めた新たな経済戦略との関連性にも言及し、「われわれはイノベーション、最新技術、教育機関との連携を基盤とした『チェコ:未来に向けた国2.0』経済戦略に沿って歩みを進めている。目標は1つで、チェコにおいて開発、製造、そして意思決定がされることだ」と述べた。

「チェコ:未来に向けた国2.0」は、政府が2月20日に発表した新たな経済戦略で、長期的な経済成長を目的として、起業、投資、イノベーション、教育制度と労働市場の改革、エネルギーの近代化、交通インフラ・デジタルインフラの開発、国家と財政の機能効率化などにおける目標と対策を定めたものだ。例えばイノベーションに関しては、官民双方の研究開発(R&D)関連支出の段階的増大やR&D分野における外国人専門家の受け入れ促進などにより、チェコの欧州イノベーション・スコアボード外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注)における順位を、現在の15位から2035年までにトップ8入りすることなどを目指すとしている。

(注)欧州委員会が毎年発行するEU加盟国と周辺国の人的資源、研究体制などイノベーションに関する各種の指標を指数化し、各国の強みを比較分析したもの。

(中川圭子)

(チェコ、ドイツ)

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