半導体牽引で1~3月輸出急伸、一方で構造上の脆弱性も

(韓国)

調査部中国北アジア課

2026年04月17日

韓国の関税庁は4月15日、1~3月の輸出入統計(確定値)を発表した。輸出は前年同期比37.8%増の2,198億7,000万ドル、輸入は10.9%増の1,694億4,400万ドルで、貿易収支は504億2,600万ドルの黒字だった。また、3月の輸出額は前年同月比49.2%増の866億2,700万ドル、輸入額は13.2%増の603億8,800万ドル、貿易収支は262億3,900万ドルの黒字で、輸出額と貿易黒字額は単月で過去最高となった。

1~3月の輸出を品目別にみると、半導体は前年同期比約2.4倍の789億1,700万ドルと急伸し全体を牽引した。月間ベースでみると、2~3月に2カ月連続で過去最高額を記録した。そのほか、石油製品(前年同期比24.1%増)、化学品(2.6%増)、情報通信機器(71.1%増)、船舶(14.2%増)などが増加した。一方、乗用車(2.2%減)、自動車部品(10.0%減)などは減少した(添付資料表1参照)。

1~3月の輸出について輸出先別にみると、主要国・地域の中では、中国(前年同期比49.0%増)、米国(35.7%増)、EU(12.4%増)、ベトナム(37.6%増)、台湾(63.3%増)などでの増加が目立った。一方、中東(13.9%減)は減少した(添付資料表2参照)。

確定値に先立ち発表された暫定値を基に、韓国貿易協会(KITA)は4月10日にレポートを公開した。1~3月の累計輸出額は、前年1~4月の累計輸出額を既に上回ったほか、1月以降輸出額の高い伸びが継続していることから、現行水準が維持されれば、年間輸出額が初めて8,000億ドルを超える可能性があるとした。2025年に初めて7,000億ドルを突破したばかりであり、達成した場合、輸出拡大ペースとしては過去最速となる見通しだ。

一方で、輸出急拡大の裏に潜む構造上の脆弱(ぜいじゃく)性についても指摘した。足元の輸出拡大は、半導体への依存度が極めて高い点に特徴がある。1~3月の半導体輸出額が総輸出に占める割合は35%以上で半導体一極集中の状態だ。また、輸出先についても、中国・米国向けで輸出総額の4割弱を占めるなど両国に大きく依存する。これらを踏まえて、半導体市況の変動、主要国の通商政策、地政学リスク(米中摩擦、中東情勢など)が今後の韓国の輸出動向を左右する重要な要因となっているとした。

短期的には半導体のスーパーサイクルを背景とした需要増を背景に輸出拡大が続く見通しである一方、中長期的には輸出品目・市場の多角化が課題として浮き彫りになっている。

(向野文乃)

(韓国)

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