米新車販売、2026年第1四半期は前年同期比5.5%減少
(米国)
ニューヨーク発
2026年04月13日
モーターインテリジェンスの発表(4月6日)によると、米国の2026年第1四半期(1~3月)の新車販売台数(暫定値)は、前年同期比5.5%減の371万350台となった(添付資料表1参照)。
自動車ローン金利などの借り入れコスト(注1)や車両価格の高止まりに加え、ガソリン価格の上昇といった購入環境の不確実性による消費者心理の冷え込み、さらには購入支援制度の撤廃によるクリーンビークル(CV、注2)の販売減など、複数の要因が重なった結果とみられる。加えて、比較対象となる2025年第1四半期の販売が、自動車・同部品への追加関税発動前の駆け込み需要で押し上げられていたことによる反動減の影響もある(2025年4月10日記事参照)。米自動車調査会社コックスオートモーティブによると、2026年2月時点での1台当たりの平均車両販売価格は、前年同月比3.4%増の4万9,353ドルと高水準が続いている。
販売台数を部門別にみると、乗用車が前年同期比14.5%減の64万604台、小型トラックが3.4%減の306万9,746台となった。乗用車が全車に占める割合は17.3%となり(添付資料表1参照)、データの確認できる1980年以降第1四半期では最も低い水準となった。
主要メーカー別にみると、ステランティス、現代、起亜がそれぞれ前年同期比3.8%増、1.2%増、4.1%増と販売を伸ばしたが、そのほかは軒並み減少した(添付資料表2参照)。ステランティスはピックアップトラック「ラム」(全車種中増加台数2位)、SUV「グランドワゴニア」といった大型クラスが堅調だった。現代はバッテリー式電気自動車(BEV)の中型SUV「アイオニック9」、起亜は中型SUV「テルライド」などが販売を下支えした。また主要12社以外では、EVメーカーのリビアンが20.0%増、メルセデスベンツが15.9%増と高級車メーカーの大幅増が目立った。テスラは8.4%減少したものの、SUV「モデルY」は1万4,540台増加し、増加台数では全車種中3位と好調だった。一方、ゼネラルモーターズ(GM)は小型SUV「エンビジョン」「エクイノクス」、フォードは大型ピックアップトラック「Fシリーズ」、フォルクスワーゲン(VW)はBEV「ID.4」などがそれぞれ販売減の主因となった。トヨタは小型SUV「RAV4」が減少したものの、中型SUV「4ランナー」が増加台数首位(2万4,809台増)と好調で、全体では前年同期比0.1%減の微減にとどまった。
動力別に販売台数をみると、ハイブリッド車(HEV)はスバル「フォレスター」などが牽引し、前年同期比12.3%増と伸長したものの、BEVが27.1%減、プラグインハイブリッド車(PHEV)が57.0%減、ガソリン車が4.8%減となり全体を押し下げた(添付資料表3参照)。CVの減少は、インフレ削減法(IRA)に基づく車両購入時の税額控除制度が2025年9月30日に撤廃されて以降、2期連続となった。
今回の結果を受け、コックスオートモーティブのチャーリー・チェスブロウ・シニアエコノミストは「EV税額控除の終了に加え、高止まりが続く金利や車両価格が、販売ペースの鈍化を招くことになるだろう」とコスト高への懸念を示した(CNBC 4月1日)。一方でテクノロジー分野の調査・コンサルティング会社である英オムディアは2月28日に始まった米国によるイランへの大規模な軍事攻撃により、原油価格が高騰していることを踏まえ、「自動車メーカーは、ガソリン価格が1ガロン(約3.8リットル)当たり5ドルあるいは6ドルという水準で定着しない限り、販売台数への影響は生じないと見込んでいる」と述べた(自動車イノベーション協会4月6日)。米エネルギー情報局
(EIA)によると、4月6日時点での米国の平均レギュラーガソリン価格は1ガロン当たり3.947ドルと前年同期(2025年4月7日)より26.6%上昇しており、今後の動向が注目される。
(注1)セントルイス連邦準備銀行によると、2026年2月時点での貸付期間48カ月の市中銀行における平均自動車ローン金利は7.36%。
(注2)バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)の総称。
(大原典子)
(米国)
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