中国国産大型貨物ドローン「白鯨航線W5000」が初飛行へ

(中国)

上海発

2026年04月10日

中国・江蘇省政府新聞弁公室が発行する「微訊江蘇」の3月21日付の報道によると、江蘇省常州市に拠点を置く白鯨航線(常州)科技が開発を進める国産大型貨物ドローン「W5000」について、4分の1スケールの実験機が内モンゴル自治区で初飛行に成功した。現在は、フルサイズの機体の初飛行に向けた最終準備が進められているという。

W5000は、大型貨物輸送を目的とした無人航空機で、常州市内の製造拠点で開発・製造が行われている(「微訊江蘇」3月21日)。W5000の最大離陸重量は10.8トン、最大積載能力5トン、機体の長さは22.89メートル、翼幅22.7メートルであり、現在の国産大型無人貨物機分野におけるトップ製品と比較しても、1.5倍以上の離陸重量となる〔「大連高新(注1)」3月31日〕。上記3月21日付の「微訊江蘇」によると、実験機体「龍城壹号」(フルサイズ)は2024年10月に組み立てを終え、その後、約1年間にわたる地上試験を実施。極寒環境下での飛行試験を行うため、2025年11月に内モンゴル自治区へ輸送された。

4分の1スケール実験機によるテストでは、低温環境下でのバッテリー性能の確保などが検証され、フルサイズの機体の飛行制御に関するデータが取得されたとされる。フルサイズの機体には、4系統の独立した飛行制御システムのほか、民間航空分野の各種要件に対応する制御機能が搭載されており、安全性向上を図っている。

「微訊江蘇」によれば、物流、金融リース、産業分野を中心に、2025年末までに合計510機の受注を見込んでいる。中でも、旬の農産品など輸送日数の短さが重要視される貨物の輸送を想定しており、迅速な配送による物流効率の向上や鮮度維持への貢献が期待されている。

今後は、2026年4月に2号機(フルサイズ)の組み立てを開始し、2027年上半期の適航認証取得を目指す計画だ。これまでに5回の資金調達を完了しており、現在は6回目の調達を進めているという。

常州市は、低空経済の育成を重点分野の1つに位置付けており(注2)、本プロジェクトについても、開発環境の整備などを通じて支援を行っている。専用滑走路の整備などにより、大型貨物ドローン産業の集積と発展を後押ししたい考えだ(「微訊江蘇」2026年3月21日)。

(注1)大連高新技術産業園区管理委員会が運営する政府系メディア。

(注2)低空経済は、高度1,000メートルの低空域で、有人・無人のドローンやeVTOL(電動垂直離着陸機)などを活用した経済活動のこと(2025年4月1日付地域・分析レポート参照)。常州市が2025年に発表した「常州市における未来産業の育成・発展の加速化アクションプラン(2025~2030年)」でも重点分野の1つとして盛り込まれていた。

(佐川将平、陸姿音)

(中国)

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