米国政府の新食事指針、消費者の約半数が経済的制約で実践できず
(米国)
ニューヨーク発
2026年04月14日
米国調査会社ヌメレーターは4月7日、米国政府が2026年1月に公表した「米国人のための食事指針(2025–2030年版)」
に関する消費者意識調査(注)の結果を公表
した。調査によれば、新方針を正しく認識している者は42%にとどまり、多くが過去の指針を現行のものと誤認している実態が明らかとなった。
今回の新指針は、米保健福祉省(HHS)と農務省(USDA)が数十年ぶりに打ち出した抜本的な政策転換となる。加工食品から「リアルフード(低加工食品)」へのシフトを促す背景には、国民の健康悪化に伴う医療費の増大に加え、若年層の健康問題が国防にも支障を及ぼしかねないという、国家レベルでの経済・安全保障上の危機感がある。
具体的には、全ての食事においてタンパク質の摂取を最優先すること、添加糖を含まない全脂(フルファット)乳製品を選択すること、加工を最小限に抑えたホールフード形態(野菜・果物など)などを積極的に取り入れることを推奨している。
しかし調査の結果、新指針の実践が経済的制約によって妨げられている現状を示した。新たな食生活への移行をためらう最大の要因として、約半数(49%)が「価格高騰と手頃さ(アフォーダビリティー)の不足」を挙げている。実際に新指針に沿った食生活に切り替えた場合、1世帯当たりの食費は平均で約32%増加(年間約1,012ドル増)すると試算されており、この負担が最大の障壁となっている。
消費者が新指針に適応するために求めている支援策としては、「低価格化や大容量パックの充実(50%)」に加え、「明確な製品ラベル(22%)」や「普段利用する店舗に指針に沿った食品の選択肢が十分にあること(18%)」「利便性の高い商品形態(16%)」が挙げられている。企業には、健康価値の訴求にとどまらず、経済性と利便性を両立させた提案が求められている。
(注)対象は全米の成人2,005人。調査実施日は2026年1月28日。
(樫葉さくら)
(米国)
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