2026年のGDP成長率は4.0~5.0%と予測、内需が成長を牽引
(マレーシア)
クアラルンプール発
2026年04月21日
マレーシア中央銀行は3月31日、2025年の年次報告書
を発表し、2026年の実質GDP成長率を4.0~5.0%と予測した(添付資料表参照)。中銀はこれまで2026年の成長率を4.0~4.5%とみていたが、今回の発表で予測レンジの上限を5.0%に引き上げた。また、財務省が2025年10月に示した予測(4.0~4.5%)よりも広いレンジの予測となった。マレーシア経済は、堅調な国内需要および穏やかなインフレ、健全な金融セクター、強固な対外収支に支えられ、困難かつ不確実な世界情勢の中でも逆風を乗り越えられると予想した。
経済成長は引き続き内需が牽引するとし、内需の5.5%成長を予測する。中でも個人消費は、安定した労働市場と所得増を背景に、2025年とおおむね同水準の5.0%増となる見通し。民間投資は7.5%増で、直近数年の旺盛な投資による高いベース効果もあり、2025年(9.4%)からは減速するものの、承認済み案件の着実な実行や新規投資の好調さにより底堅く推移すると見込まれる。産業別では、サービス業は5.2%増、製造業は4.3%増と、いずれも伸び率が前年をやや下回るものの堅調を維持し、建設業も減速しつつ9.1%の高い成長が予測されている。
2026年の貿易額は、輸出額が8.6%増(2025年6.4%増)、輸入額が9.0%増(同6.0%増)といずれも拡大する見通し(注)。2025年に輸出の86%を占めた製造品が拡大(9.6%増)するとみられる。世界的な人工知能(AI)関連需要の拡大を背景に、電気・電子製品が堅調なほか、石油精製品や石油化学品も中東情勢による価格上昇の恩恵を受ける可能性がある。一方、その他の非電気電子製品は、各地域で中国製品との競争激化の影響を受けると予想した。製造品の輸出拡大に伴い、中間財の輸入は6.9%増となり、2025年(4.0%減)からプラスに転じると予測した。
2026年の総合インフレ率と、物価変動の激しい食料品やエネルギーを除いたコアインフレ率はそれぞれ1.5~2.5%、1.8~2.3%とし、長期的な平均インフレ率である2%に近づくと見込む。中東情勢により世界のコモディティー価格が変動する中、通貨リンギ高が輸入コスト抑制に一定の効果を発揮する可能性がある。
金融政策について、アブドゥル・ラシード・ガフォール総裁は、マレーシア経済は今後直面する逆風にも耐えうるとの認識を示した。その上で、「金融政策が引き続き重要な役割を果たす」と述べ、物価の安定維持に重点を置きつつ、持続可能な成長を支える方針を示した。
(注)貿易額は財の貿易のみのため、添付表の純輸出の項目の値とは一致しない。
(山口あづ希)
(マレーシア)
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