シンガポール首相、「日中は共にASEANの重要なパートナー」と認識

(シンガポール、ASEAN、中国)

シンガポール発

2026年04月01日

シンガポールのローレンス・ウォン首相兼財務相は3月28日、中国と香港歴訪の最終日の会見で、日本と中国がシンガポール、そしてASEANにとって重要なパートナーであるとの認識を示した。同首相は、「地域の在り方を形づくる上で、日中とは積極的に協力を深める必要がある」と強調した。

ウォン首相は、中国の海南省ボアオ市で開催されたボアオ・アジアフォーラムに出席するため3月25~26日に海南島を訪問後、27日から香港入りしていた。同首相は会見で、「中国と日本の2国関係が難しい局面にあると認識している」と述べた。その上で、「シンガポールとしては、中国、日本、米国やそのほかの国々と良好な関係を築きたい」との考えを示した。同首相は、日本を3月17~19日に訪問後に中国を訪問したことについて、計画的なものではなく、スケジュール調整の結果だと説明した。

また、同首相は米中対立に対するASEANの立場について、「すべての主要国と全方位的に積極的に関与し、開かれた包摂的な地域を築いていく」と述べ、米中いずれかの側につく意思がないと強調した。シンガポールは2027年にASEAN議長国となる予定だ。

中国は地域の繁栄と安定で大きな役割との認識

ウォン首相は3月26日のボアオ・アジアフォーラムでの基調演説で、中国の経済力と世界の行方を左右する影響力が拡大しており、今後さらに重要な役割を担うとの認識を示した。中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)や一帯一路などのイニシアチブを通して国際貢献を果たしたと指摘した。その上で、「中国が地域の繁栄と安定のために、より大きな役割を担うことができると信じている」と語った。

さらに、同首相は、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)とデジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)への中国の加入を支持すると述べた。中国のCPTPPとDEPAへの加入は容易ではないが、「中国が加入することで地域に恩恵をもたらすとともに、これら質の高い協定の意義を強化できる」との認識を示した。

(本田智津絵)

(シンガポール、ASEAN、中国)

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