サウジアラビア、リン酸二アンモニウムの戦略物流サービス開始、鉄道・港湾が連携
(サウジアラビア)
リヤド発
2026年04月20日
サウジアラビア鉄道公社(Saudi Arabia Railways:SAR)、サウジアラビア港湾局(Mawani)、および国営海運会社バハリ(Bahri、注1)は4月17日、同国東部のペルシャ湾沿岸に位置するラス・アルハイルから、紅海沿岸のヤンブー商業港まで、肥料などに使用されるリン酸二アンモニウム(DAP)を輸送する戦略的物流サービスを開始した〔4月17日付サウジアラビア国営通信(SPA)〕。
本サービスは、鉄道・道路・海上輸送を組み合わせた「マルチモーダル輸送(注2)」を採用し、世界の食料供給網の強化と、農業に不可欠な資材を安定的に供給する国として、サウジアラビアの地位を確立することを目的としている。
初期段階では、4万5,000トン超のDAPを輸送する計画だ。DAPは、専用コンテナによりラス・アルハイルからハーイル(Hail)貨物ヤードまで鉄道輸送された後、トラックでヤンブー商業港へ運ばれ、そこから世界市場へ輸出される。この物流モデルは、同国の物流インフラが有する高い処理能力と、鉱業分野との円滑な連携を示すものだという。
また、今後3カ月間で約4,800回分のトラック輸送が鉄道輸送などに切り替えられる見込みで、交通安全の向上、交通渋滞の緩和、二酸化炭素(CO2)排出量の削減が期待されている。これは、持続可能な輸送の推進と、3つの大陸を結ぶ世界的物流拠点としての地位確立を目指すサウジアラビアの国家目標を後押しする取り組みと位置付けられる。
(注1)正式名称は「サウジアラビア国営海運会社(The National Shipping Company of Saudi Arabia)。1978年に勅令により設立され、当初はNSCSAとして運営されていた。出資比率は、サウジアラビア政府系ファンドの公共投資基金(PIF)が22.55%、サウジアラムコ開発会社(Saudi Aramco Development Company:SADCO)が20%を保有し、残る株式の57.45%はサウジ証券取引所(タダウル)に上場している。
(注2)トラック、鉄道、船舶、航空機など、複数の輸送手段を利用して貨物を1つの出荷元から目的地まで運ぶ輸送方法。
(林憲忠)
(サウジアラビア)
ビジネス短信 9b299962b65a0498





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