ロンドンでウクライナビジネスセミナー、前駐ウクライナ日本大使が最新情勢を解説
(英国、ウクライナ、日本)
ロンドン発
2026年04月16日
ジェトロは4月2日、英国ロンドンで松田邦紀・前駐ウクライナ日本大使を迎え、ウクライナの最新情勢を解説するビジネスセミナーを開催した。会場には在英国日系企業を中心に約20人が集まった。
冒頭に登壇したジェトロ・ロンドン事務所の由良英雄所長は、2025年7月に経済産業省、外務省と連携して派遣したウクライナへの官民ミッション(2025年7月16日記事参照)をはじめ、同国に対するジェトロの取り組みを紹介した。
続いて登壇した松田前大使は、ロシアによるウクライナ侵攻の歴史的背景や最新の戦況に加え、中東情勢が同戦争に及ぼす影響について言及した。ロシアに対する経済制裁の一部緩和により(注)、ロシアに戦争継続の余力が生まれる可能性がある一方、ウクライナは湾岸諸国との連携を進め、防空システムの提供と引き換えに、防衛・経済分野での協力に関する合意をしている現状を説明した。
松田前大使の講演(ジェトロ撮影)
松田前大使は、ウクライナ復興における日本企業の参画について、エネルギー分野ではガスタービンやスマートグリッド、ガス貯蔵、バッテリーなどにウクライナ側から高い関心が持たれていると言及した。他の分野では、がれき処理と建築資材への再利用、農業分野では品種改良や無人農機の開発、新たな輸出市場開拓などにも期待が寄せられていると説明した。
ドローン分野に関しては、国産ドローン関連企業の数が2022年時点では7社だったのが2025年には500社以上に増え、大学や民間企業を中心に1,000種類ほどが開発されている発展状況について言及した。
後半では、ウクライナ投資庁のマリーナ・フリストゥン長官がオンラインで講演を行った。同国の今後10年間の復興・再建需要は約6,000億ドル、そのうち3,000億ドル以上が具体的な投資案件として準備されていると説明し、特にエネルギー、運輸・物流、農業分野の潜在力を強調した。
セミナーではほかにも、ジェトロ・ロンドン事務所の茂木高志産業調査員が経済産業省のウクライナ復興支援・中東欧諸国向け支援事業を紹介し、キーウ事務所の柴田哲男所長および調査部欧州課の柴田紗英職員からジェトロのウクライナ関連事業と調査に関する説明が行われた。
(注)米国政府は3月に、4月11日までの期限付きとして、海上輸送中のロシア産原油および石油製品の購入を各国に一時的に認める緩和措置を発表した。
(吉原千佳)
(英国、ウクライナ、日本)
ビジネス短信 8e390cca08e7a897





閉じる