メキシコ経済省と米USTRによるUSMCA見直しに関する技術会合が開催
(メキシコ、米国)
メキシコ発
2026年04月24日
メキシコ経済省は4月21日、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の見直しプロセスの一環として、経済省と米国通商代表部(USTR)との間で技術会合を行ったと発表した。会合には、メキシコ側は、ルイス・ロセンド・グティエレス経済省貿易担当次官、米国側はジェフリー・ゲットマンUSTR次官が参加した。本会合では、貿易障壁や知的財産権に関する2025年版スペシャル301条報告書におけるこれまでの協議の進捗状況と未解決事項、原産地規則、域外からの輸入依存度の低減、米国が世界各国に対して発動している1962年通商拡大法232条に基づく鉄鋼・アルミニウム・銅への追加関税、および両国間のサプライチェーン強化などについて議論された。
エブラル経済相、自由貿易に基づく貿易システムには戻らないと主張
マルセロ・エブラル経済相は、4月22日に開催されたイノベーション関連のイベントに参加した際、現在の米国追加関税が賦課された状況について、USTRのジェミソン・グリア代表の言葉を引き合いに出し、「われわれが持っていた自由貿易に基づく貿易システムが、もはや元に戻ることは非常に難しい」と述べた。関税が賦課された世界について、「関税が全くなかった時代を懐かしむのではなく、今後は関税が存在するシステムの下で活動することになる」とし、関税が賦課された前提で世界を考える必要があるとした。また、「すべてに適用されるわけではないが関税は存在し、原産地規則も存在する。原産地規則は、場合によっては関税よりも重要な役割を果たすこともある」とし、原産地規則についても言及した。追加関税についても「自動車産業、鉄鋼、アルミニウムといった、われわれにとって優先課題だった分野については、関税がなくなることは考えにくいと認識している」とし、今後も賦課される可能性を示唆した。ただし、メキシコ政府の方針として、「われわれが目指しているのは、関税をどのように引き下げるかだ」とし、追加関税の軽減を目指していることを明かした。また、知的財産権については、2025年版スペシャル301条報告書でメキシコは「ウォッチリスト」に指定されているとし、メキシコがこのリストから外れることを目標として、そのために多大な労力をかけてきたとした。重要鉱物については、今回の議題とはならなかったとした。
USMCAの見直しに関するメキシコの立場として、エブラル経済相は「(メキシコが)実質的に関税を撤廃または最小限に抑え、自由な貿易の流れを維持することだ」と強調した。また、米国の懸念事項として、「アジアへの依存度を減らしたいと考えている」と述べ、メキシコはそれを実現するための米国の強力な同盟国となり得ると述べた。最後に、「(USMCAの見直しの交渉は)すべてにおいて合意しているわけではなく、困難で複雑であり、不確実性も多々あるが、われわれは多大な努力を払うつもりであり、この第一歩(会合)は良い一歩だったと考えている」と強調した。
(阿部眞弘)
(メキシコ、米国)
ビジネス短信 846522418af5b2be





閉じる