中国、豚肉の価格下落で政府による買い入れを実施

(中国)

北京発

2026年04月06日

中国商務部、国家発展改革委員会、財政部などは4月2日、豚肉価格の安定を目的とした備蓄用冷凍豚肉の買い入れを実施している旨を発表した。商務部は、引き続き豚肉市場の動向を注視し、価格動向の検討・判断を強化するとともに、関係部門と連携した上で備蓄に関連した調整を行い、市場の安定維持に努めるとしている。

農業農村部の3月30日付の発表によると、国内の16の省および直轄市における2026年3月23~27日の豚肉出荷平均価格は1キログラム当たり12.98元(約299円、1元=約23円)となり、前週比3.0%下落、前年同期比32.3%下落と大幅な下落になった。価格の下落については、「供給が潤沢である一方、消費が回復しておらず、販売の鈍化により価格が下落している」と説明した。地域・省別の豚肉出荷価格は、次のとおりで全国的に下落傾向にある。

  • 東北地域(遼寧省、吉林省、黒竜江省):前週比3.0%下落、前年同期比33.8%下落
  • 華北地域(北京市、天津市、河北省):前週比3.7%下落、前年同期比31.6%下落
  • 中部地域(河南省、湖北省、湖南省):前週比2.8%下落、前年同期比33.8%下落
  • 華東地域(山東省、江蘇省、安徽省、浙江省、福建省):前週比2.3%下落、前年同期比30.5%下落
  • 四川省:前週比3.1%下落、前年同期比32.2%下落
  • 広東省:前週比5.0%下落、前年同期比33.3%下落

また、グローバル市場経済統計データベースのCEICのデータを基にすると、国内市場における豚肉卸売価格は2024年8月以降下落が続いており、2024年8月16日付で1キロ当たり26.8元だった卸売価格が、2026年3月27日付で16.9元となっており、2011年以降でほぼ最低水準に落ち込んでいる。

中国において、豚肉は肉類の中でも生産量および消費量が多く(注)、物価、社会の安定、食料安全保障に大きく関係する食品として扱われている。新型コロナウイルス感染拡大の初期にあたる2020年2月には、価格上昇への対応策として約10万トンの豚肉が放出されたほか、その後も断続的に買い入れが実施されるなど、政府による豚肉の買い入れや放出が実施されている。

(注)2025年の中国における主要な肉類の生産量は、豚肉5,938万トン、牛肉801万トン、羊肉496万トンとなっている。

(西島和希)

(中国)

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