米主要港、2月の小売業者向け輸入コンテナ量は前月比7.5%減、関税や燃料価格高騰が逆風に
(米国)
ニューヨーク発
2026年04月14日
全米小売業協会(NRF)と物流コンサルタント会社のハケット・アソシエイツが発表した「グローバル・ポート・トラッカー報告
」(4月8日)によると、2026年2月の米国小売業者向けの主要輸入港(注1)の輸入コンテナ量は、アジアの旧正月による工場停止という季節要因が重なり、前月比7.5%減、前年同月比4.2%減の195万TEU(1TEUは20フィートコンテナ換算、添付資料図参照)となった(注2)。
今後の見通しでは、3月は前年同月比8.3%減の197万TEU、4月は5.6%減の208万TEUと、減少傾向が続く見込みだ。一方で5~6月はそれぞれ7.3%増、6.9%増と一時的にプラスに転じる見通しだが、これは2025年4月の関税導入後の輸入量の急落を反映したもので、いずれも反動要因が大きく寄与している。2026年上半期を通じてみると、総貨物量は前年同期1.8%減の1,230万TEUと予想されている。その後、7月は8%減、8月は6%減と再び減少する見通しで、全体として減少基調は根強く続く見通しだ。
ハケット・アソシエイツの創設者ベン・ハケット氏は、米国のコンテナ輸入量は関税の影響で伸び悩んでいるものの、今のところイラン情勢による直接的な影響は小さいと述べる。しかし、同氏は輸送運賃の上昇は避けられず、最終的には消費者などに対し物価上昇というかたちで影響を及ぼすことになると指摘する。特に、(1)ホルムズ海峡の封鎖により、世界中のコンテナ船の燃料費が押し上げられており、米国内の燃料価格もこうした影響を受けること、(2)アジアの各港はペルシャ湾からの燃料供給に依存しているため、紛争が早期に解決しなければ燃料不足に陥る恐れもあることなどを懸念点として挙げた。また、NRFのサプライチェーン・関税政策担当副会長のジョナサン・ゴールド氏は、これらに加えて船舶の航路変更や機材配置による影響、ガソリン価格による消費者の可処分所得の減少に伴う影響などについても波及効果として言及した。
このように燃料高や関税によるコスト増に直面する中、港湾運営側は自動化による効率化を急いでいるが、これが労働組合との摩擦を招いている。特に米西海岸ロサンゼルスやロングビーチの主要港では、現行の労働協約では自動化の権利が認められているものの、実態としては組合側の同意なしにプロジェクトを推進するのは困難な状況で、当初の計画が大幅な遅延が生じている。この停滞は、主要港における処理能力の拡大を阻害しており、将来的な港湾混雑やサプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)化を招くリスクが浮き彫りとなっている。
(注1)主要輸入港は、米国西海岸のロサンゼルス/ロングビーチ、オークランド、シアトルおよびタコマ、東海岸のニューヨーク/ニュージャージー、バージニア、チャールストン、サバンナ、エバーグレーズ、マイアミおよびジャクソンビル、メキシコ湾岸のヒューストンの各港を指す。
(注2)発表されている貨物量のTEUと前年同月比の数値は端数処理の関係で一致しない場合がある。
(樫葉さくら)
(米国)
ビジネス短信 794b95c0a1dc7960





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