日本食品を米国メインストリームへ、ジェトロがブローカー活用で販路開拓の商談会
(米国、日本)
ロサンゼルス発
2026年04月10日
ジェトロは2025年10月から2026年3月にかけて、日本食品の販路開拓を支援する「GGW(グローバル・ゲートウェイ)ブローカー・マッチング商談会」を実施した。
米国のメインストリーム市場では、食品メーカーとバイヤーの間に「ブローカー」が入り、商品の発掘から棚入れ交渉まで担う商慣行が根付いている。日本食材は日系やアジア系市場には比較的参入しやすい一方、米系メインストリームへの参入障壁は高く、ブローカーとの連携が有効とされる。本事業では、早くから米国メインストリームへの参入を果たしている在米日系食品メーカーをコーディネーターに起用し、マッチング先として得意分野が異なるブローカー3社を選定。参加事業者は、ホールフーズ(Whole Foods)などナチュラル系に強くマーケティング戦略も行うブローカー、大型チェーン向けのブローカー、レストランなどの業務用専門のブローカーとの商談を行い、コーディネーターはすべての商談に同席して参加事業者をサポートした。
2025年10月に開催したオンラインセミナーを皮切りに、12月には2回の代理商談会を実施し、約60社をブローカーに紹介した。2026年1~2月には、27社がブローカーに選ばれてオンライン個別商談会を実施。3月4~5日には米国アナハイムで開催された、西海岸最大のナチュラル・オーガニック系の見本市「Natural Products Expo West 2026
」に合わせ、見本市に参加した企業も加わり、本事業参加企業と全ブローカーによる対面ネットワークおよび商談会を開催した。
同会合では、ブローカーから「自分たちのネットワークでは届かないエリアの日本食品に出会えた」「生産者と直接話すことで、長い歴史やこだわりを知ることができた」と日本産食品に高い関心が示された。参加事業者からも「ブローカーへのコンタクト方法がわからない中、ジェトロがアレンジしてくれると安心」「商談以上に、メインストリーム市場の情報や自社の課題を率直に教えてもらい非常に勉強になった」との声が聞かれた。また、商品改善に向けた具体的なフィードバックも多く得られた。パッケージはプロテイン含有、グルテンフリーなど機能が一目でわかる英語中心のデザインへの刷新、キャッチーな商品名への改名、フレーバーのバリエーションを4種類程度に拡充することなどがブローカーから求められた。さらに、だしやスープなどは希釈タイプではなく、そのまま食べられる加工済み食品(Ready to eat)に近い形態や、容器に関しては高級感を出すために色をつけ、透明や白いキャップを避けるといった点も指摘され、米国市場向けの具体的な改善点が浮き彫りとなった。
ネットワーキング商談会にて、商品を見せて商談をしながらアドバイスをもらう参加事業者(ジェトロ撮影)
メインストリーム参入への道は決して平たんではない。ほぼ全商品でパッケージデザインの改善が指摘され、ナチュラル系では特定原材料が基準を満たさないケースも多かった(注)。ブローカーとの契約には月額1,000ドル以上のリテイナー費と売上高の10%のコミッションが求められる場合もあり、中小企業には重い負担だ。それでも、参入が実現すれば売り上げの規模は大きく変わる。商品力に加え、原材料・パッケージの現地対応と長期的な体制づくりを整えた事業者にとって、ブローカーとの連携は米国市場の扉を開く大きな一手となり得る。
(注)ナチュラル系食材は、米国食品医薬品局(FDA)の基準とは別に、独自の成分基準(Unacceptable Ingredients list)が設けられており、合成添加物・遺伝子組み換え原料・特定の加工原料などのほかにも300以上の着色料・保存料・フレーバー・その他原材料を独自に禁止している。
(竹内由貴)
(米国、日本)
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