2025年の再エネ発電容量は中東28.9%増、アフリカ15.9%増、IRENA

(世界、日本、中東、サウジアラビア、エチオピア、エジプト)

調査部中東アフリカ課

2026年04月06日

世界の再生可能エネルギー(再エネ)に関する報告書「Renewable Capacity Statistics 2026」によると、2025年の再エネ発電容量は前年比15.5%増の5,149ギガワット(GW)に達した〔4月1日付国際再生可能エネルギー機関(IRENA)プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。増加容量は692GWで過去最多だという。

世界での2025年の再エネ別の増加容量をみると、太陽光発電が511GW、風力発電が159GWで続き、合計で増加分の96.8%を占めた。大幅な拡大が再エネ発電のコストも削減にもつながっているという。続くバイオエネルギーは3.4GWの増加だった。

地域別の成長率をみると、中東では前年比28.9%増となり、最も成長率が高い地域だった。特にサウジアラビアは太陽光発電などが増え、前年比約2倍で12GWに達した。また、地域別成長率はアジアが21.6%で続いた。アフリカは上位3カ国の南アフリカ共和国(22.8%増、16.6GW)、エチオピア(68.6%増、10.1GW)、エジプト(20.0%増、9.3GW)に牽引され、15.9%増を記録した。エチオピアではグランド・エチオピア・ルネサンス・ダムによる水力発電が増加し、エジプトでは風力や太陽光の発電が増加した。また、タンザニアでは水力発電などにより、前年から約2倍と大幅増の2.9GWでアフリカ8位に浮上した。

中東アフリカでは増加率が高いものの、地域別の再エネ発電容量はアフリカで世界シェア1.6%、中東でシェア1.1%とまだ少ない。2025年の地域別の再エネの総発電量は次のとおり(かっこ内は前年比増加率)。

  • アジア:2,891GW(前年比21.6%増)
  • 欧州:934GW(9.0%増)
  • 北米:614GW(7.4%増)
  • 南米:333GW(6.3%増)
  • ユーラシア(ロシアなど):141GW(6.3%増)
  • アフリカ:82GW(15.9%増)
  • 大洋州:76GW(8.6%増)
  • 中東:56GW(28.9%増)
  • 中米・カリブ諸国:21GW(9.1%増)

中東情勢悪化による化石燃料調達懸念で再エネに注目

同報告書では、地政学的緊張の高まりにより、エネルギー問題は世界の注目を集めているとしたうえで、中東情勢の緊迫化は電力供給の安定性と化石燃料価格の変動に対する懸念を引き起こしていると指摘した。

一方、再エネは国内で生産可能であり、国によっては低コストで迅速に導入できるため、再エネの導入を増やすことで、燃料への依存度を低減できると言及している。また、IRENA事務局長のフランチェスコ・ラ・カメラ氏は「エネルギー転換に投資してきた国々は、エネルギー安全保障、強靭(きょうじん)性、競争力を高めることで、経済的ダメージを抑えながら、この危機を乗り越えていくだろう」と述べた。

中東情勢に関しては特集「イスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢」も参照。

(井澤壌士)

(世界、日本、中東、サウジアラビア、エチオピア、エジプト)

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