第1四半期のGDP成長率は前年同期比7.83%、今後は中東情勢の悪化で不透明感も
(ベトナム)
ハノイ発
2026年04月07日
ベトナム統計局は4月4日、2026年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率(推計値)を前年同期比7.83%と発表した。8.46%だった前期と比べ、伸び率がやや減速したものの、安定した成長をみせた(添付資料表参照)。ただし、今後、中東情勢の緊張が長期化すると、ベトナム経済も大きな影響を受ける可能性がある。
産業別の成長率は、農林水産業が3.58%、鉱工業・建設業が8.95%、サービス業が8.18%だった。
統計局によると、GDPのうち10.9%を占める(注)農林水産業は、特に木材と水産養殖の生産量が増加するなど、比較的安定した成長を維持した。
GDPの37.1%を占める鉱工業・建設業は、特にGDPの24.2%を占める製造業の成長率が9.73%で経済を牽引した。また、公共投資の促進により建設業の成長率も8.36%と拡大基調がみられる。
製造業の堅調な伸びは、1~3月の輸出額が前年同期比19.1%増の1,229億3,000万ドルに達している点からも確認できる。しかし、国内企業(ベトナム企業)による輸出に限ると、16.6%減の244億7,000万ドルで勢いを欠いた。一方、外資系企業は33.3%増の984億6,000万ドルと大きく伸び、輸出額全体の80.1%を占めた。
GDPの43.5%を占めるサービス業は、文化・レジャーの成長率が9.72%で最大だったほか、卸売り・小売り、党関連活動の成長率が9%を上回った。
2026~2030年のGDP成長率、目標は10%
ベトナムは2026~2030年にGDP成長率10%以上を目指す方針を掲げており、2026年はその初めの年に当たるが、今後は中東情勢の悪化により先行きの不透明感が漂う。
グエン・ティ・フオン統計局長は、足元の経済状況を前向きに評価しつつ、10%成長の目標達成のためには、燃料価格の柔軟な管理・調整や、コスト上昇の影響を受ける産業への適切な支援措置、税や手数料の負担軽減策などの導入が必要であると述べた(「VNエクスプレス」4月4日)。
現地報道では、紛争が2026年末まで続いた場合は世界的なスタグフレーションに陥ることから、ベトナムも経済成長の目標を棚上げし、緊縮財政に入る覚悟が求められるという識者の声を紹介している(「グーイ・クアンサット」3月23日)。
(注)GDP構成比は農林水産業、鉱工業・建設業、サービス業のほか、補助金を除いた間接税からなる(8.5%)。
(萩原遼太朗)
(ベトナム)
ビジネス短信 6d2c2bccde03daa5





閉じる