保険規制開発局、保険会社にインド会計基準準拠の財務諸表作成を義務化

(インド)

ムンバイ発

2026年04月08日

インド保険規制開発局(IRDAI)は3月30日、保険会社の財務報告制度の改定を発表した。これにより4月1日以降、保険会社に対してインド会計基準「Ind AS」に準拠した財務諸表の作成・開示が義務付けられた(添付資料参照)。対象は生命保険、損害保険、医療保険、再保険会社を含む全保険事業者。国際財務報告基準(IFRS)と整合する会計枠組みを導入することで、財務情報の透明性と国際比較可能性の向上を目指す。

今回の措置は、「保険会社の数理・財務・投資機能規則(2026年改正)」として公布され、既存の会計枠組みに代わり、「Ind AS」に基づく財務諸表の作成を求めるものとなる。新たに設けられた「スケジュールIIA」では、財務諸表の様式、開示項目、保険契約に関する会計処理(Ind AS 117)など、保険業特有の要件が詳細に定められた。従来の会計規則では限定的だった情報開示が拡充され、経営実態やリスク状況がより明確になる見通しだ。

一方で、制度移行に伴う混乱を考慮し、IRDAIは最大2年間の並行報告期間を設定した。対象期間中は、「Ind AS」に基づく財務諸表と従来基準による財務情報の双方を作成・提出することが認められる。また、システム整備や人材確保が困難な保険会社に対しては、一定条件の下で1年間の猶予措置も設けられた。

IRDAIは一連の改正について、「インドにおける保険セクターの財務報告フレームワークの近代化に向けた、極めて重要な一歩となる」と発表している。世界基準の会計規則に準拠することで、透明性および信頼性をもたらし、規制監督を強化することが狙い。同時に、契約者の利益を保護し、強固かつ国際基準に調和した保険エコシステムの発展につながることも期待されている。

(野本直希)

(インド)

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