イスラエル首相、米・イラン停戦を条件付き支持、「レバノンは対象外」
(イスラエル、米国、イラン、レバノン)
テルアビブ発
2026年04月09日
米国とイランによる2週間の停戦合意を受け(2026年4月8日記事参照)、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は4月8日(現地時間)、停戦を支持すると表明し、その適用範囲と条件を示した。イスラエル首相府のX(旧Twitter)への投稿を通じ、ネタニヤフ首相は「イスラエルは米国のドナルド・トランプ大統領による2週間の対イラン攻撃停止決定を支持する。ただし、イランが直ちにホルムズ海峡を開放し、米国、イスラエルおよび域内諸国への攻撃を停止することが条件」とし、「2週間の停戦には、レバノンは含まれない」と明言した。
停戦支持に関するイスラエル首相府のコメント画面〔X(旧Twitter)のイスラエル首相府の公式アカウントより〕
さらに、首相府が公表したネタニヤフ首相のビデオ声明で、今回の停戦は対イラン軍事作戦の「終了」ではなく、「目標達成に向けた節目にすぎない」と指摘。停戦は「米国と完全に調整した上で成立したもので、土壇場での不意打ちではない」とし、「必要とあれば、いつでも軍事行動に戻る用意がある」と強調した。
「タイムズ・オブ・イスラエル」紙(4月8日付)によると、ネタニヤフ首相は同日付のビデオ声明で、今回の軍事行動によりイランの核開発施設やミサイル製造施設を破壊し、イランは「かつてなく弱体化した状態」にあるとの見方を示した。イラン国内に残る濃縮ウランについては、「全量がイラン国外に搬出される」と述べ、その手段として「合意によって、もしくは戦闘再開によって実現される」と語った。
また、イランが停戦交渉に際し、ホルムズ海峡の再開に応じる姿勢を示した上で、経済制裁の解除、経済的損失への補償、恒久的な戦闘終結保証、レバノンでの停戦といった主要条件を取り下げたことに触れ、現在の交渉環境はイスラエル側に有利に傾いているとの認識を示した。
対レバノンの軍事面では、イスラエル国防軍(IDF)が停戦発効後もレバノンで大規模な空爆を実施した。IDF
によると、レバノンでは首都ベイルート、ベカー高原、南部の3地域において、ヒズボラの司令部や指揮統制拠点など約100カ所を、約50機の戦闘機と約160発の精密弾薬で攻撃した。これは対イラン軍事作戦「ライオンの咆哮(ほうこう)(Operation Roaring Lion)」開始(2026年3月2日記事参照)以降、ヒズボラの軍事インフラに対して実施された最大規模の攻撃だったとしている。
ネタニヤフ首相は、停戦の対象にヒズボラは含まれないことを自ら米国側に求めたと述べ、イスラエル北部国境の安全確保と抑止力の維持を最優先課題と位置付けた。
イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエルとハマスの衝突の特集、イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報を参照。
(中溝丘)
(イスラエル、米国、イラン、レバノン)
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