タイ政府、初めてディーゼル価格体系を変更

(タイ)

バンコク発

2026年04月16日

タイ政府は4月7日、ディーゼル(B7およびB20)価格を1リットル当たり2バーツ(約10円、1バーツ=約5.0円)引き下げる補助策の実施を決定した。この決定は、シンガポールにおける精製ディーゼル価格が原油価格の上昇率を上回って過度に上昇しているという危機的状況への対応として行われた。

タイ・エネルギー政策企画事務局(EPPO)の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、給油所でのディーゼル小売価格は1リットル当たり2.14バーツ下がる。これは政府による引き下げ2.0バーツに加えて、燃料基金による価格調整を経て追加的に約0.14バーツ分が下落したため。タイではシンガポールの市場価格を参考にしているが、中東情勢の変化に伴い、シンガポール価格の上昇が原油価格の上昇率を上回っていた。EPPOは、タイ政府によるディーゼル燃料の価格体系の変更は史上初としている。

タイ石油公社(PTT)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、バンコクの給油所における1リットル当たりの小売価格は、4月9日時点でディーゼルB7が48.4バーツ、ディーゼルB20が43.4バーツとなっており、いずれも4月5日時点と比べて2.14バーツ下がっている。

補助金削減やバイオ燃料支援にも取り組む

タイ国営放送PBS(4月8日付)によると、直近(4月2~7日)では、世界の原油価格が下落した。これを踏まえ、エーカナット・プロムパン・エネルギー相が主導するエネルギー政策管理委員会(EPAC)は、燃料基金を通じた補助金額についても、ディーゼルB7で1リットル当たり18.54バーツから15バーツに、B20で同20.09バーツから17.03バーツにそれぞれ引き下げる決定を行った。

補助削減により、燃料基金の支出は1日約2億8,800万バーツ削減される。一方、4月7日時点で基金の赤字額は577億6,000万バーツに達している(「バンコク・ポスト」紙4月8日付)。エーカナット相は、「あらゆるコスト削減に取り組み、最悪のシナリオに備えている。価格統制は規律に従い、燃料基金の負担軽減のため、製油所価格を引き下げる仕組みを強化していく」と述べた。また同相は、バイオ燃料の利用拡大に向け、トラック向けのB20ディーゼル給油所のほか、4月20日までに主要道路上に十分な給油所を設置予定と述べている。

今後は、燃料基金管理委員会(FFMC)が招集され、製油所からの報告に基づいて、毎週、価格の見直しを行う。FFMCは、B20バイオ燃料に対する割引率の引き上げも検討する予定だ。

(藪恭兵)

(タイ)

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