大連市で投資額150億元のヨット製造・マリーナ運営プロジェクトが調印

(中国)

大連発

2026年04月10日

中国・遼寧省大連市政府は3月25日、広東省深セン市の企業である深セン市探海ヨット産業発展(注、以下、探海)と戦略的協力協定を締結した。これにより、大連市において投資総額150億元(約3,450億円、1元=約23円)規模のヨット製造・マリーナ運営プロジェクトを建設することが決定した。調印式には、中国の電子商取引大手・京東(JD)の創業者であり、探海の投資者でもある劉強東氏が出席した。

大連市と探海は、本協定を契機に、ヨットの研究開発・設計、ヨット産業の技術の高度化や利活用シーンの創出をはじめ、同産業チェーン上の重要部品・基盤インフラの整備強化、新たな消費の創出、さらに文化・観光・スポーツ・商業の融合発展において連携・協力を進め、ヨット消費市場の育成・拡大を図る。

同協定に基づき、探海は大連市・金普新区に大規模なヨット製造拠点を建設し、カスタマイズ型の高級ヨット生産ラインを整備する予定だ。主に大型ヨットおよび関連部品の研究開発、設計、生産を手掛ける。また、同市・中山区において、係留、整備・メンテナンス、展示・販売、研修・トレーニング、商業体験などの機能を集約した拠点を運営し、中国北方における重要なヨットサービス拠点とする(「遼寧日報」3月26日)。

劉強東氏は調印式で、京東グループが遼寧省を重点投資地域の1つと位置付け、今後、資源や資金の投入を一層拡大する方針を示した。また、今後3年以内に同省における事業規模を現在の500億元から1,000億元へと倍増させる目標を掲げた。

大連市は広大な海域・海岸線や多数の海島を有し、海洋関連の高等教育機関や研究機関も多数集積しており、ヨットを中心とする海洋産業の発展に大きな潜在力を持つ。現在、大連市内で登録されているヨット数は1,800隻を超え、全国首位を占めている(「遼寧日報」3月26日)。

中国では近年、ヨット関連消費をサービス消費の新たな成長分野として重点的に育成しており、ヨット産業の大衆化・大規模化が進んでいる。2022年8月に工業情報化部などが公表した「クルーズ船・ヨット設備および関連産業の発展加速に関する実施意見」では、大連市や青島市などの沿海都市におけるヨット産業の革新的発展を支援し、消費者向けのモデルプロジェクトの整備や関連レースイベントの開催を促進する方針を示している。遼寧省は第15次5カ年規画期間(2026~2030年)に、ヨットの研究開発・製造能力の強化や海洋関連高付加価値サービス業の育成を進め、現代海洋産業体系の構築を加速する方針を示した。大連市も2026年1月19日、「クルーズ船・ヨット産業の質の高い発展促進実施プラン」を公布し、同期間内にヨット産業の規模拡大や設備・技術水準、供給能力の大幅な向上と市場の拡大を目指すとしている。

(注)2026年2月に設立された香港系独資企業で、登録資本金は1,088万ドル。

(李穎)

(中国)

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