イスラエルのネタニヤフ首相は作戦継続を強調、中銀は金利据え置き
(イスラエル、米国、イラン、パレスチナ、レバノン、シリア)
テルアビブ発
2026年04月02日
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は3月31日、ユダヤ教の過越祭を前に国民向けにビデオ演説を行い
、イランを中心とする敵対勢力との戦いの現状と成果について言及した。
ビデオ演説を行うイスラエルのネタニヤフ首相(イスラエル政府報道局提供)
ネタニヤフ首相は冒頭で、直近の戦闘によりイスラエル国防軍(IDF)の兵士が戦死したことに触れ、遺族への哀悼の意を表するとともに、負傷した兵士とその家族への連帯を強調した。
首相は、米国との協調の下で進めているイランへの軍事作戦「ライオンの咆哮(ほうこう)(Operation Roaring Lion)」が開始(2026年3月2日記事参照)から1カ月を迎えたとし、イランが長年にわたり進めてきた核開発や弾道ミサイル計画、地域の武装組織への支援に対し、大きな打撃を与えてきたと主張した。また、ガザ地区のハマス、レバノン南部を拠点とするヒズボラ、シリア、イラン、その他地域の武装勢力を含むいわゆる「悪の枢軸」に対して段階的な打撃を加えてきたと説明した。
さらに、「作戦はまだ終結していない」としつつも、これまでの軍事行動によってイスラエルの安全保障環境は大きく転換したとの認識を示した。そして、困難な状況の中でも国民が結束を保ち続ける必要性を強調した。
また、イスラエル中央銀行のアミール・ヤロン総裁は3月30日、金融政策に関する記者会見
で、政策金利を4.00%に据え置く決定を発表した。同総裁は、対イラン軍事作戦の開始以降、軍事衝突に伴う地政学的な不確実性が高まり、経済や実体活動への影響が全産業に及んでいると指摘。その一方で、イスラエル経済は過去2年半にわたり示してきたのと同様に、回復力と柔軟性を維持しているとの認識を示した。
ヤロン総裁によれば、軍事衝突の影響として、需要面ではクレジットカード支出や観光客の減少、供給面では従業員の欠勤や予備役招集による労働供給の制約、サプライチェーンの混乱が生じているという。
インフレについては、作戦開始前の2月時点では目標レンジの中央付近まで低下していたが、エネルギー価格の上昇により今後の物価を押し上げる可能性があると指摘した。
なお、中銀調査部の経済見通しでは、2026年の実質GDP成長率見通しを3.8%と前回の見通し(2026年1月8日記事参照)を1.4ポイント下回り、インフレ率は2.2%とされたが、不確実性は極めて高いとしている。
イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエルとハマスの衝突の特集、イスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢、各国の反応を参照。
(中溝丘)
(イスラエル、米国、イラン、パレスチナ、レバノン、シリア)
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