ペルー、米製戦闘機の調達を巡る大統領の発言に反発し、2閣僚が辞任

(ペルー、米国)

リマ発

2026年04月24日

ペルーのウゴ・デ・セラ外相とカルロス・ディアス防衛相は4月22日、辞任した。米国政府とペルー政府との間で契約されている米製F-16戦闘機の調達について、ホセ・バルカサル大統領が地元紙に対し「まだ契約書には署名されていない」と説明した上で、暫定政権である今は戦闘機の調達を見送り、7月に発足する新政権が調達を判断した方が良いと発言した(「エル・コメルシオ」紙4月21日付)。バルカサル氏が所属する急進左派ペルー・リブレ(ペルー自由:PL)党は4月18日、「国家と国民の安全を考えるのであれば、戦争の道具ではなく保健、教育などの分野に予算を投じるべきだ」と戦闘機調達に反対する声明を発表していた。

デ・セラ氏は4月22日、地元ラジオ局のインタビューに応じ「ルイス・アロヨ首相と私は米国との契約内容を大統領に説明した上で、4月20日に両国代表者が署名をしている。大統領の発言は国家に対する虚偽の発言であり容認できない」と辞任の理由を明らかにした。フェルナンド・ロスピグリオシ議長はプレスに対し、「大統領は米国との契約の署名について事前に把握していたはずで、経済財政省はすでに米国側に支払いを行っている」と話し、大統領の発言に疑問を呈した。

一連の動きを受けバルカサル大統領は4月22日、会見を行い「米国政府との契約に介入する意図はなく、支払いは次期政権になってからでもいいのではないかと伝えたかっただけだ。ほかに意図はなく、米国政府と対立するものではない」と釈明した。

戦闘機の調達については、ディナ・ボルアルテ政権時の2024年に政府の基本方針を決定し、ホセ・ヘリ政権時の2026年2月に大統領、関係閣僚、軍、警察関係者で構成する国家防衛保安審議会(COSEDENA)が調達を承認した。米国から戦闘機24機を調達し総額は35億ドルを見込む。ベルニエ・ナバロ駐ペルー米国大使は4月22日、地元ラジオ番組に出演し「現在、操縦や機体保守の訓練を受けている段階で、最初の12機は2029年に納入される。F-16ブロック70という世界的にみて最新鋭の機種で、南米では初めての導入になる」と説明した。

辞任した2閣僚の後任として、4月22日に貿易省顧問を務めた経験のあるアマデオ・フローレス氏が防衛相に就任し、23日には職業外交官で米国、チリなどで大使経験のあるカルロス・パレハ氏が外相に就任した。

(石田達也)

(ペルー、米国)

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