ロンドン・ブックフェア開催、日本文学の存在感高まる
(英国)
デジタルマーケティング部コンテンツ課
2026年04月01日
世界最大級の国際出版見本市「ロンドン・ブックフェア」が3月10~12日に開催された。世界各国・地域から1,005社・団体が出展し、来場者数は3万3,000人となった。
会場の様子(ジェトロ撮影)
会場では100以上のセミナーも開催され、書籍関連のデータ提供や分析を専門に行うニールセンIQブックデータのスージー・ウォーノック氏は2025年の国際書籍市場のトレンドについて「分析対象19市場のうち12市場で書籍の売り上げが増加し、特にフィクションが成長を牽引した」と述べた。なお、同社のデータによると2025年第1~21週の期間において英国で最も売れた翻訳小説トップ50作品のうち23作品が日本文学だったとのこと。
ジェトロは日本書籍出版協会(JBPA)が設置したジャパンブースに出展し、ジェトロが招待した海外バイヤー(海外に販路を持つ国内のバイヤーを含む)専用のオンラインカタログサイト「Japan Street」の広報を行ったほか、ブース内でネットワーキングイベントを開催した。
ネットワーキングイベントの様子(ジェトロ撮影)
また、会期中に日本の文化庁〔事務局:出版文化産業振興財団(JPIC)〕との共催でセミナーを開催した。11日には小説家の柴崎友香氏、八木沢里志氏、八木詠美氏が登壇し、自身の作品を通じて孤独や帰属をめぐるテーマや日本発の物語が海外読者にどのように受容されているのかという点についてディスカッションした。12日には文藝春秋ライツビジネス局長の新井宏氏が登壇し、日本の出版業界の独自性や日本文学の海外展開における現状と可能性について語った。
セミナーの様子(JPIC提供)
八木沢氏は「現在50以上の言語に自著が翻訳されているが、1月にインドで開催された文学イベントに参加した際、サイン会などを通じて現地ファンの熱量に圧倒された。今回のブックフェアでも、作品に携わる海外出版社の担当者などが数多くブースを訪れてくれた。普段は1人で机に向かっているが、多くのファンや関係者と実際に会うことができ、とても感慨深い経験だった」と述べた。
また、JPICの松木修一専務理事は「今回初めてブースを出すことになったが、JBPA、ジェトロと連携することで多くの方とのネットワークが構築できた。また、国際交流基金のサポートで書店や文学祭のイベントなどに作家の方々に登壇いただき、大変な歓迎を受け、日本の活字文化への関心の高さを改めて感じた」と語った。
次回のロンドン・ブックフェアは2027年3月16~18日に開催の予定。
(古川喜一)
(英国)
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