米シカゴ連銀経済報告、2月後半~3月の経済活動はわずかに増加
(米国)
シカゴ発
2026年04月20日
米国連邦準備制度理事会(FRB)が4月15日に公表した地区連銀経済報告
(ベージュブック、注1)の中で、米国中西部の一部地域(注2)を管轄するシカゴ連銀は、2月後半~3月にかけての同地域の経済活動について、報告期間中わずかに増加した(increased slightly)と報告した。今後1年間についても、経済活動に変化はないだろうと予想している。
同地域の経済活動を分野ごとにみると、雇用に変化はなく(unchanged)、今後1年間で採用がわずかに増加するとし、調査対象者の圧倒的多数で離職率が低く、採用に関しては様子見の姿勢が見られるなど、労働市場の状況は安定していると報告した。一方、人材派遣会社からは、不確実性が高まる中で企業が正社員の採用をちゅうちょしているため、派遣労働者の需要が増加しているとの回答もみられた。
個人消費は、わずかに(slightly)増加した。現時点では、中東情勢による顕著な影響はないとの指摘が多くみられた。自動車を除く小売り支出は全体として控えめに(modestly)増加した。消費者は引き続き割引価格の衣料品やアクセサリーを好み、食料品やパーソナルケア用品への支出割合を増やした。耐久財の販売は堅調で、あるアナリストは、買い替え需要は存在するが、自由裁量的な需要はあまりないと指摘した。
企業支出に変化はなかった。設備投資は横ばいだったが、今後1年間で支出がわずかに増加すると予想している。トラック輸送の需要は堅調で、燃料費の高騰が顧客に転嫁されたことにより運賃は上昇した。一部の製造業者はタングステンの不足を報告し、中東紛争による化学製品の供給不足の可能性について懸念を示す声もあった。
製造業の需要は控えめに増加した。化学、プラスチック、ゴムの生産は、製薬および半導体産業からの需要増に牽引され、緩やかに増加した。一次金属メーカーは需要がわずかに増加したと報告し、特に防衛部門からの成長を指摘した。多くの製造業者は、現時点では中東情勢の影響を受けていないと報告したが、防衛産業からの受注増加を見込む企業や、コスト上昇や出荷遅延を予測する企業もあった。
地区内での2026年の農業所得の見込みは、報告期間中に投入コストが農産物価格よりも急速に上昇したため、地区の農業所得は全体的に減少した。肥料と燃料価格は上昇したが、相当数の農家が報告期間前に肥料を予約注文し、価格を固定していた。トウモロコシ、大豆、小麦の価格は上昇し、牛、豚、卵、乳製品の価格も同様に上昇した。
個々の調査対象項目ごとの詳細は添付資料表参照。
(注1)連邦公開市場委員会(FOMC)の開催に先立ち、年8回公表されており、銀行からの報告やビジネス関係者などの声を基にまとめたもの。
(注2)アイオワ州、イリノイ州北部、インディアナ州北部、ウィスコンシン州南部、ミシガン州南部。
(星野香織)
(米国)
ビジネス短信 29641f785f39a1ad





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