インド、4月から国勢調査を実施へ、デジタル化とカースト調査が焦点

(インド)

ムンバイ発

2026年04月03日

インド政府は、約16年ぶりとなる国勢調査を2026年から2027年にかけて実施する。インド内務省が3月30日、首都ニューデリーで行った記者会見で調査概要を発表した(添付資料参照)。前回調査は2010~2011年に実施されており、2020~2021年に予定されていた調査は新型コロナウイルス感染拡大の影響により延期となっていた(2024年8月23日記事参照)。人口が世界最多となったインドでは、人口動態や居住環境に関する基礎統計が更新されておらず、最新データの整備が喫緊の政策課題となっている。

国勢調査は、2段階で実施される。フェーズ1の住宅に関する調査は2026年4月から9月まで行われ、住宅の構造や所有形態、水道、電力、トイレなどの生活インフラ整備状況を把握する。続くフェーズ2の人口調査は2027年2月(注)に実施され、年齢、性別、教育水準、就業状況といった個人属性が調査対象となる。

今回調査における最大の特徴は、全国民を対象としたカースト情報の収集である。詳細なカースト調査が国勢調査に盛り込まれるのは約100年ぶりで、階層ごとの実態把握を通じ、雇用や教育、福祉分野での格差是正への活用が見込まれる。また、調査手法のデジタル化も大きな特徴だ。調査員はスマートフォンやタブレット端末を用いてデータを入力し、システムに即時送信する。さらに、国民自身がオンラインで回答する自己申告方式も導入され、調査の効率化と精度向上、集計・公表までの期間短縮を図る。

国勢調査の結果は、選挙区割りや中央・州間の財政配分、インフラ投資計画の基礎データとして活用される。日系企業にとっても、州・都市別の人口規模、年齢構成、労働力分布、消費市場の動向を把握する上で重要な情報源となる。

(注)ラダック連邦直轄領、および積雪などの理由により調査時期をずらして実施する地域(ジャンム・カシミール連邦直轄領の一部、ウッタラカンド州、ヒマーチャル・プラデシュ州)においては、2026年9月にフェーズ2の調査が実施される。

(野本直希)

(インド)

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