中国がケニア産品に市場開放、ゼロ関税措置を発表
(ケニア、中国)
ナイロビ発
2026年04月20日
中国の韓正・国家副主席は3月22~25日、ケニアを公式訪問した(注1)。25日には、韓副主席とウィリアム・ルト大統領が会談し、両国関係のさらなる発展を目指すことが確認された。報道によると、中国側からは政治・外交面での両国の協調が確認され、加えて包括的ゼロ関税などケニア産品に対する中国市場の一層の開放が表明された。ケニア側からは、中国側に対して、貿易格差の是正や中国企業による対ケニア投資促進が要望されたほか、工業化、物流、インフラ、金融といった重点分野での協力や、文化交流・人的交流の強化を進めていく考えが示されたという。
3月23日には、ナイロビ市内で対中ゼロ関税輸出商品展示会および中国・ケニア・ビジネスフォーラムが開催された。中国国際貿易促進委員会(CCPIT)とケニア輸出促進ブランディング庁(KEPROBA)が主催し、報道によると、64社の中国企業が参加した。フォーラムには官民合わせて350人以上が集まったという。展示会には農産物や鉱産品などケニア企業25社が出展し、参加した中国企業と商談を行った。
両国政府は3月24日に、「共通発展のための経済パートナーシップ協定」(通称:アーリー・ハーベスト協定)を、コンゴ共和国に続きアフリカで2番目に締結した。3月25日付の中国商務省の発表によると、中国はケニアを対象にゼロ関税待遇を実施し、同時にケニアも中国製品に対してさらなる市場開放を行うこととしている。中国は既に、2024年12月からアフリカの後発開発途上国33カ国に対する関税免除策を実施しているが、ケニアや南アフリカ共和国などアフリカの中所得国はこの措置の対象外となっていた。2026年2月15日には習近平国家主席がアフリカ連合(AU)首脳会議に宛てた祝辞において、その措置を5月1日から53カ国(注2)に拡大する方針を発表していた。
グローバル・トレード・アトラスの貿易統計によると、ケニアの2025年の中国への輸出総額2億2,554万ドルに対し、中国からの輸入総額は100億6,603万ドルと大きな貿易格差が存在する。中国から機械類、電子機器、自動車などの工業製品を大量に輸入する一方で、輸出は主として農水産品や鉱物など低付加価値の一次産品にとどまる。2026年3月24日には、協定に基づく最初の輸出貨物がナイロビから、中国の建設した標準軌鉄道を通じてモンバサ港を経て中国に出荷された。現地報道によると、アボカド、アボカド油、コーヒーなどの農産品を詰めた54コンテナが出荷されたという。
(注1)韓副主席の今回のアフリカ訪問では、3月22日から30日にかけて、ケニアに加えて南アとセーシェルも公式訪問している。
(注2)台湾と国交を維持するエスワティニを除く。
(佐藤丈治)
(ケニア、中国)
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