サンフランシスコ市、気候行動計画を5年ぶりに改定

(米国)

サンフランシスコ発

2026年04月22日

米サンフランシスコ市は4月16日、市内各所で気候変動分野に応じたイベントが官民連携で開催される「クライメート・テックウィーク(以下、クライメート・ウィーク)」を前に、約5年ぶりに改定された気候行動計画として「サンフランシスコ・クライメート・アクションプラン2026外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公表した。

同日、ダニエル・ルーリー市長(民主党)は、市の環境政策の法的枠組みである環境コード第9章(注1)の改正法案にも署名した。計画では、温室効果ガス(GHG)排出量を2030年までに1990年比で61%削減し、2040年までにネットゼロ(注2)とする目標を掲げている。

今回の改定では、排出削減に加え、エネルギーコストの抑制や住宅供給、都市機能の改善を含む統合的な都市政策として位置付けを再定義した。計画は20以上の地方自治体や機関が関与して策定され、施策ごとに担当部局や実施主体を明示するとともに、進捗管理や評価の枠組みを整備している。

写真 クライメート・ウィーク開幕イベントでのダニエル・ルーリー市長の演説の様子(ジェトロ撮影)

クライメート・ウィーク開幕イベントでのダニエル・ルーリー市長の演説の様子(ジェトロ撮影)

主な施策の1つとして、既存住宅・建物の電化を重点施策とし、低所得層向けの電化支援やヒートポンプ導入支援を進める。また、大規模建物に対してはクリーン電力の利用拡大を求めるとともに、電力料金の調整や料金クレジット(注3)の付与により、電化に伴う初期費用や運用コストの低減を図る。交通面では、集合住宅居住者など自宅に充電設備を持たない層への対応として、路上設置型を含む公共の電気自動車(EV)充電施設の整備を拡大する。市によると、同市長の就任以降約16カ月で公共のEV充電施設を250カ所以上設置しており、今後も増設を進める方針である。

同日、開幕イベントとしてオラクル・パークで開催された催しで、今回の計画について同市長は、「これらの取り組みは市の将来に向けた明確な方向性を示すものであり、排出削減とともに公衆衛生の改善や生活の質の向上につながる」と説明。また、同市には約700社のクライメートテック企業が集積しているとし、同月18日から26日まで実施されるクライメート・ウィークを通じて多様な主体の参加を促し、イノベーション創出を加速させる考えを示した。

(注1)サンフランシスコ市の環境政策の基本枠組みを定める条例。温室効果ガス削減目標や、気候行動計画の策定・更新、関係部局の役割などを位置付ける。

(注2)人為的に排出するGHGと、吸収・除去される温室効果ガスを差し引きで実質ゼロにする考え方。

(注3)電化の普及を後押しするため、利用者の電気料金負担を軽減する仕組み。

(武田史織)

(米国)

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