経済成長率は2025年度もマイナス、2026年度は復興需要で緩やかな回復見通し
(ミャンマー)
調査部アジア大洋州課
2026年04月14日
アジア開発銀行(ADB)が4月10日に公表した「アジア経済見通し(Asian Development Outlook:ADO)2026年4月版
」によると、ミャンマーの経済成長率は、治安情勢の悪化や2025年3月に発生したミャンマー中部大地震の影響により、2025年度(2025年4月~2026年3月)もマイナスとなった。2026年度は地震後の復興需要などを背景に、緩やかに回復する見通しとされている。ただし、高インフレや政治的不確実性などを背景に、下方リスクは依然として大きい。
ADBによれば、2025年度の実質GDP成長率は前年度比マイナス2.2%となり、2024年度のマイナス0.7%に続き、2年連続のマイナス成長となった。治安情勢の悪化や投資環境の厳しさに加え、2025年3月の大地震が主要産業に大きな影響を及ぼし、経済の落ち込みを一段と深めた。
実質GDP成長率を産業別にみると、農業は治安情勢不安や高止まりする生産投入コスト、労働力不足、物流制約、異常気象の影響などが重なり、マイナス0.2%だった。工業部門は、資金制約や投資低迷、供給網の混乱などを背景にマイナス2.7%だった。サービス部門についても、高インフレによる家計消費の低迷を受け、2.8%のマイナス成長となった。
物価動向について、インフレ率は低下がみられたものの、依然として高水準にある。2025年度の総合インフレ率は25.2%となり、2024年度の29.6%からは低下した。食品価格は価格統制の強化などにより上昇が一部抑制された一方、医療、住宅、公共料金など非食品分野では価格上昇圧力が続いた。高インフレは、生活費の上昇を通じて家計の購買力を大きく毀損(きそん)し、家計所得と消費を圧迫している。
ADBは、2026年度の実質GDP成長率が2.4%に回復すると予測している。地震後の復興需要に加え、製造業や建設活動の持ち直し、海外送金や国際支援の増加などが成長を下支えするとしている。一方で、インフレの高止まりや国内政治情勢を巡る不確実性、地政学的リスクなどを背景に、先行きに対する不透明感はなお強いとしている。
(アジア大洋州課)
(ミャンマー)
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