変化するEU規制、オランダでセミナー開催
(オランダ、EU)
アムステルダム発
2026年03月18日
ジェトロは3月4日、在オランダ日本大使館および在蘭日本商工会議所(JCC)との共催で、「日系企業のためのEU規制対応セミナー」を開催した。会場には約130人の日系企業関係者が参加し、近年加速するEUにおける環境・サステナビリティー関連規制の最新動向と、実務上の対応策への理解を深める貴重な機会となった。
冒頭、道井緑一郎駐オランダ日本大使があいさつし、国際情勢の不透明化が日系企業の活動に影響を与える中、欧州規制に関する最新動向を的確に把握する重要性を指摘した。その上で、事例を通じた情報収集や、企業間連携による知見共有の必要性を強調した。
道井駐オランダ日本大使による開会の辞(ジェトロ撮影)
セミナー前半の基調講演では、EU日本政府代表部の泰松昌樹公使から、EU規制の全体像や欧州委員会、欧州議会などにおける政策形成プロセス、ならびに意思決定の流れについて説明が行われた。続いて、EYベルギーの馬場翔太氏が、近年EU規制において「強化」と「簡素化」が同時に進行している特徴について解説した。特に、第2期フォン・デア・ライエン政権における規制簡素化の動きを踏まえ、制度変更が相次ぐ中で最新動向を的確に把握する重要性を指摘した。
セミナー後半では、デロイト・オランダの野田悠太氏と岩崎ジョー氏が、参加企業による事前アンケート結果を基に、欧州規制対応において求められる基本的な考え方や、対応が遅れがちな領域について解説した。複数拠点間におけるコミュニケーション不足や責任範囲の不明確さが、全体対応のボトルネックとなりやすい点が強調された。
また、欧州規制を事業機会として積極的に活用している企業の事例として、帝人ホールディングス・ヨーロッパの畳開真之氏およびMMメタル・リサイクリングの竹内浩一郎氏が登壇した。畳開氏は、サーキュラーエコノミー領域における技術活用や、環境対応分野に注力した開発拠点であるTeijin Brightlands Innovation Center(TBIC)の取り組みについて説明、竹内氏は、電子スクラップ関連規制を巡るMMメタル・リサイクリングの対応や、今後の関連規制の方向性について解説した。
セミナー終了後にはネットワーキングが行われ、参加者同士による活発な意見交換が展開された。企業間の連携や情報共有を深める有意義な場となり、参加者からは「欧州における規制は変化のスピードが速いため、企業間での情報交換などを通じた情報収集を一層活発化させ、最新動向を的確に把握していくことが重要だと感じた」という声が寄せられた。
ジェトロは今後も、EU規制に関する最新情報の提供や個別相談などの支援を通じて、日本企業が欧州市場で円滑に事業活動を展開できるよう、支援を一層強化していく。
セミナーの様子(ジェトロ撮影)
(梅田健太郎)
(オランダ、EU)
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