初の包括的なAI国家戦略を発表、中等・高等教育における責任も明記

(スウェーデン)

調査部欧州課

2026年03月31日

スウェーデンは2月26日、同国初となる包括的な人工知能(AI)国家戦略を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。政府は、1.スウェーデンのAI分野での世界トップ10入り、2.北欧地域のAI分野のグローバルリーダー化、3.行政のコスト効率、品質、サービスの向上に世界最高水準でAIを活用、4.スウェーデンが世界をリードする起業家や競争力のある企業を育成のためのAIソリューションに適した環境の整備、5.社会の利益、持続可能な開発、競争力、イノベーションの追求のためのAIの活用・開発、を目標として挙げた。

同戦略はAIの利点最大化とリスク管理を目的とし、「社会的利益のためのAI」「持続可能な発展」「競争力とイノベーションのためのAI」の3本柱からなる。

「社会的利益のためのAI」では、AIはすべての市民にとって長期的に持続可能で安全な社会の実現に貢献し、公共・民間の双方で活用されるべきものだとする。そのためにはシンプルで予測可能かつ技術中立の効率的なルール、高品質のデータへのアクセスと活用、国際標準形成への積極的関与、安全保障および防衛分野でのAI活用、公共部門での先導が重要だと挙げた。

「持続可能な発展」は、AIは個人の尊重に基づく安全かつ持続可能な社会の実現に貢献すべきとし、そのためには人間中心のアプローチ、スウェーデンでのAI言語モデル開発、気候およびエネルギー、労働市場と技能供給が重要だと挙げた。特に労働市場と技能供給においては、スキル開発だけでなく、優れたメディア・情報リテラシーなどデジタル環境の安全な利用方法に関する知識を含むデジタルスキルを身につけることを重視。中等および高等教育がデジタル化とAIが個人と社会の発展に与える影響を理解できるよう支援する責任を負い、デジタル技術に対する批判的かつ責任ある姿勢を身につけさせるよう貢献しなければならないとした。

「競争力とイノベーションのためのAI」では、北欧諸国をAI分野におけるグローバルリーダーにするために、AIエコシステム、企業および起業家精神、デジタルインフラおよび計算能力を重要な点と挙げた。

3月17日にはAIの国立センターであるAIスウェーデンが、Googleの社会奉仕事業Google.orgのAI機会基金の一環として、スウェーデンやフィンランド、デンマークを含む欧州北部の国々におけるAIスキル強化のための包括的な研修イニシアチブを主導すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。北欧地域のAIグローバルリーダー化に向けた取り組みを進める。

(牧野彩、篠崎美佐)

(スウェーデン)

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