JERA、米ハワイ州のエネルギーインフラの近代化を提案

(米国、日本)

ロサンゼルス発

2026年03月27日

日本の国内外で燃料調達から発電・販売までを一貫して担う総合エネルギー企業のJERA(本社:東京都中央区)は3月18日、米国ハワイ州のエネルギー転換を支援する提案を同州に提出したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同提案には、沖合液化天然ガス(LNG)インフラおよび約500メガワットのハイブリッド複合サイクルおよびシンプルサイクル発電施設(注)の建設が含まれる。ハワイ州知事室によると、この新設備によって家庭や企業にとって手頃な価格での電力供給を実現し、電力グリッド(送配電網)の強靭(きょうじん)性を高めるとともに、温室効果ガスの削減に寄与するとされている。

投資総額は約20億ドルと推定され、そのうち約75%は新設発電設備に関連するもので、燃料の種類にかかわらず、老朽化した発電設備の更新や電力系統の信頼性維持のために不可欠なインフラへの投資となる見込み。残りの25%は浮体式LNG貯蔵再ガス化設備(FSRU)や関連する供給設備を含むLNG関連インフラへの投資の予定とされている。全体として、投資額の90%以上は、タービン設備、送電網支援インフラ、パイプライン、FSRUなど、長期利用または再配置の可能性のある資産に向けられ、施設の開発・建設に1,100件以上の雇用創出、推定1億5,000万ドルの経済効果をもたらすことが見込まれており、施設稼働後は年間推定5,000万ドルの経済効果をもたらすことが期待されている。

2030年の施設稼働が目指されているが、本提案の実施にはハワイ州公益事業委員会をはじめとする州および連邦機関による承認が必要とされ、JERAは今後数カ月以内に各種の許認可手続きを開始する予定とされている。

ハワイ州は2045年までにすべての電力源を再生可能エネルギーに転換し、州全体で脱炭素化を達成する目標を掲げる一方、現在は電力供給の多くを石油火力に依存しており、今後、再生可能エネルギーへの転換を加速していくことが課題となっていた。そうした中で、ハワイ州政府とJERAは2025年10月に脱炭素化に向けた戦力的パートナーシップ協定を締結し、LNGによる発電の導入を加速することで、クリーンエネルギーへの転換(トランジション)の第一歩とする構えだ。ジョシュ・グリーン知事(民主党)は「ハワイは今、エネルギーの未来を左右する極めて重要な局面に立たされており、州政府は家庭の電気料金負担の軽減、炭素排出量の削減、電力グリッドの信頼性強化、100%クリーンな再生可能エネルギーへの移行加速という点に重点を置いて取り組んでいる。本提案は電力グリッドを抜本的に刷新するものであり、ハワイが長年依存してきた石油からの脱却に向けた、具体的な一歩となるもの。JERAおよびそのパートナー企業との連携を通じて、数十億ドル規模の新たなエネルギー投資をハワイに呼び込み、州民にとって、より手頃で信頼性の高いエネルギー供給を確保していく」とコメントしている。

(注)複合サイクル発電は、天然ガスなどの燃料を燃焼させてガスタービンを回し、さらにその排熱を利用して蒸気タービンを回す、2つのサイクルを組み合わせた高効率な火力発電方式。他方、シンプルサイクル発電は、ガスタービンのみの発電で、排熱は利用しない。

(堀永卓弘)

(米国、日本)

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