平時でも使える防災製品に商機、ジェトロが企業交流イベント開催

(日本、ASEAN、インド、サウジアラビア、中東、アフリカ、中南米)

海外展開支援部戦略企画課

2026年03月27日

ジェトロは225日、防災分野の海外展開を促進するため、「防災分野海外市場開拓(新興国)ラウンドテーブル」をジェトロ本部(東京都港区)にて開催した。防災は日本政府が掲げる戦略17分野PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)1つであり、日本は長年の防災・減災の取り組みを通じて関連産業の強固な基盤を築いてきた。当日は、消費財からインフラ分野まで、543関連省庁・機関が参加した。

写真 会場内の様子(ジェトロ撮影)

会場内の様子(ジェトロ撮影)

冒頭、防災分野の第一人者として日本および国際社会の防災政策を牽引してきた西川智JICA国際協力専門員が登壇。昨今の多国間国際交渉から見た日本の防災産業における海外展開の可能性について基調講演を行った。地域ごとに災害経験が異なることから生まれる市場特性や社会課題を正確に捉えることが重要であるほか、防災用途に限らず現地社会や市場で挙げられる課題の解決にも寄与するような多用途性を押し出した輸出の可能性に言及した。また、高知県産業振興センターが「防災先進県」としての取り組みを紹介した。県全体で積極的に防災関連技術や製品の国内外への発信を行っており、実際の輸出先行例も交えて解説した。

2二部では、海外現地市場の知見を有する商社や国際機関、防災製品メーカーによる相互型のピッチを実施した。日本のさまざまな防災用品の国内外販路開拓に取り組む商社であるSAKIGAKE JAPANは、災害が日本ほど多くない海外では、平時と防災時の双方で価値を発揮する製品の開発が重要になること、また、サウジアラビアでの防災分野の見本市への出展経験を引き合いに、中東など新興国における防災市場が活況を呈している状況を説明した。防災製品メーカーからは、平時でも使えるペーパー歯みがき、人工知能(AI)危機管理システム、災害対策音響機器、水循環機器、真空スプリンクラーシステム、放射冷却光学シート、空気清浄機器、無人災害対応ロボットなどの製品が紹介された。

写真 質疑に回答するSAKIGAKE JAPANの近藤宗俊CEO(左)、ピッチ登壇者でロボット開発などを手掛ける知能技術の大津良司代表取締役(右)(ともにジェトロ撮影)

質疑に回答するSAKIGAKE JAPANの近藤宗俊CEO(左)、ピッチ登壇者でロボット開発などを手掛ける知能技術の大津良司代表取締役(右)(ともにジェトロ撮影)

講演終了後には、参加者全体でのネットワーキングを実施した。参加企業からは、「行政の需要だけでは市場拡大が望めないため、民間企業のBCP(注)に役立つような製品の販路拡大に取り組むべく情報収集を行っている」などの声があり、民間向け防災需要を見据えた段階的な輸出実現に向け、積極的な検討がされている様子がみ見られた。

(注)事業継続計画(Business Continuity Plan)。自然災害や大火災、テロ攻撃などの緊急事態において、企業が受ける損害や被害を最小限に抑え、主要ビジネスを速やかに継続・再開するための計画。

(阪本龍之介)

(日本、ASEAN、インド、サウジアラビア、中東、アフリカ、中南米)

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