第2回イタリア・アフリカサミット開催、マテイ計画が具体化
(イタリア、アフリカ、アルジェリア、チュニジア、欧州)
パリ発
2026年03月11日
イタリアは2月14~15日にエチオピアのアディスアベバで開催された第39回アフリカ連合(AU)首脳会議の前日13日、第2回イタリア・アフリカ首脳会議(サミット)
を同地で開催した。イタリアのジョルジャ・メローニ首相は開会のあいさつで、アフリカ諸国向けの新たな金融メカニズムを発表。アフリカ諸国のイタリアに対する債務の一部を、受益国と共同で開発のための投資に転換するプログラムに再配分し、極端な気象災害の影響を受けた国々に対しては、債務返済の一時停止条項も導入するとした。
同メカニズムは、2023年1月に開催された第1回イタリア・アフリカサミットでイタリアがアフリカとの協力強化を目的に立ち上げた「マテイ計画」(2024年2月8日記事参照)の一環で、メローニ首相は、「同計画はもはや単なる構想ではなく、14のアフリカ諸国が直接参加する実践的な現実となった」と述べ、イタリアのアフリカへのコミットメントを強調している。マテイ計画の枠組みを支える主要な柱(エネルギー、水、農業と食料安全保障、文化、教育と職業訓練、保健、物理的およびデジタルインフラ、技術革新、人工知能、宇宙)の中の最優先分野とされるイタリアとアフリカのエネルギー連携において、同計画のターゲット国14カ国(注1)の中でも北アフリカ諸国は計画の中核をなす。
欧州と北アフリカの電力市場を物理的に接続する初の大規模なプロジェクト「エルメッド・インターコネクター(ELMED)
」は、チュニジアとイタリアを海底ケーブルで結び、北アフリカの電力を欧州へ輸送する電力連系計画で(注2)、マテイ計画のエネルギー連携の象徴的存在である。ELMEDは最近加速され、2026年1月15日には、第2フェーズの実施資金として、4,300万ユーロ相当の融資および保証契約が、チュニジアと欧州復興開発銀行(EBRD)の間で締結され、資金調達はほぼ固まり、建設準備段階に入った。2028年に商業運転を目指す。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、EUがエネルギー源の多様化に向けた取り組みを進める中で、アフリカの天然ガスを欧州市場へ導く重要なゲートウエーとしてイタリアを位置付ける戦略的なアプローチがある。アルジェリアとイタリアはチュニジアを経由して南部アルジェリア・ハッシルメルから年間約302億立方メートルをイタリアに供給するトランス・メディテラニアン・パイプラインにより、欧州のエネルギー連携拠点として長年機能してきた。最近では、マテイ計画のエネルギー連携分野で中心的役割を担うイタリアのエネルギー大手エニ(ENI)とアルジェリア国営炭化水素公社ソナトラックが2025年7月23日、両国首脳の立ち会いの下、炭化水素、エネルギー転換、再生可能エネルギーの分野における協力強化を目的とした覚書(MOU)に署名している。
(注1)14のターゲット国:アルジェリア、アンゴラ、コートジボワール、エジプト、エチオピア、ガーナ、ケニア、モーリタニア、モロッコ、モザンビーク、コンゴ共和国、セネガル、タンザニア、チュニジア
(注2)イタリアの送電事業者テルナとチュニジアの電力・ガス公社(STEG)で進められるELMED計画では、シチリア島パルタナの変電所からチュニジアのカポ・ボン半島のムラービ変電所まで、全長220キロメートル(うち200キロメートルは海底ケーブル)をつなぐ。送電容量は600メガワット(MW)、最大水深は約800メートル。
(渡辺智子)
(イタリア、アフリカ、アルジェリア、チュニジア、欧州)
ビジネス短信 eb718d1aff7f9aa7






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