外国企業との連携も追求、小型衛星企業コングスベルグ・ナノアビオニクスに聞く
(リトアニア)
調査部国際経済課
2026年03月25日
リトアニアのコングスベルグ・ナノアビオニクス
(以下、ナノアビオニクス)は2014年設立の小型衛星の設計・製造企業で、衛星への搭載機器の統合やエンド・ツー・エンドのミッションサービスも提供する。2022年よりノルウェーの防衛、海洋、航空宇宙関連機器製造大手コングスベルグの子会社となっている。ジェトロは2月27日、同社に事業概要や日本企業とのプロジェクト、日本市場への期待を聞いた。
ナノアビオニクスは、首都ビリニュスの拠点で最大500キログラムのナノ衛星とマイクロ衛星を製造している。顧客は、(1)政府・防衛関連機関、(2)民間企業、(3)研究機関・大学の3つに分けられ、利用領域としては通信、地球観測、安全保障、研究の4分野だ。
同社は現在、連続生産能力の拡大に取り組んでおり、衛星通信や国家安全保障分野での需要の拡大に伴い生産施設の拡張も行っている。拡張中の生産施設が完成すれば、衛星の年間生産能力は数百基まで拡大するという。
競合企業と比べた場合の同社の強みは、衛星の信頼性と軌道上での可用性(availability、注)だという。これまで55基超の衛星を打ち上げており、そこから得られた経験を設計や試験に生かし成功率を高めている。宇宙産業は従来のプレーヤーと新規のプレーヤーが入り混じる産業であるが、同社はその中間的な立ち位置を取り、スピード感と低コスト、衛星の信頼性を両立することを目指す。
日本との関係では、2023年11月に理化学研究所、三井物産エアロスペースとともに開発したX線観測用衛星(NinjaSat)、2025年11月にはIHI向けに製造した地球観測衛星(IHI-SAT2)を打ち上げている。ナノアビオニクスとしては、日本の宇宙産業の成長に注目しており、宇宙ミッションに関心のある日本企業・機関に、ニーズに応じてハンズオンで支援ができると考えている。
他国ではアラブ首長国連邦(UAE)にも注目。2025年11月には拠点を開設、ムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター(MBRSC)とのパートナーシップも発表している。
複数市場に取り組む同社だが、これまでも米国航空宇宙局(NASA)を含めさまざまな機関との間で、地場でのミッション開発を支援してきたという。この経験を生かし、現地での衛星の組み立てや搭載機器の統合、試験の実施など、ローカルコンテント利用を重視したパートナーシップにも進んで取り組むと意欲を見せる。
(注)衛星システムを一定以上の割合で運用できること。
(山田恭之、金杉知紀、遠山宗督)
(リトアニア)
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