財政長官が2026年株式市場を「慎重ながら楽観視」、香港市場の上場承認待ちは450社超

(香港、中国)

香港発

2026年03月05日

香港特別行政区政府(以下、香港政府)の 陳茂波(ポール・チャン)財政長官は2月20日、香港証券取引所(HKEX)の春節明け市場開場式典であいさつし、「総じて2026年の株式市況については、慎重ながらも楽観視している」と述べた。

陳長官は、「2025年は2024年の勢いを引き継ぎ、ハンセン指数は累計で約6,500ポイント上昇、上昇率は32%に達し、2年連続の上昇となった」とした上で、「ポイントと上昇幅の両面で、2025年は史上最高の年となった。IPO(新規株式公開)と追加資金調達額はいずれも好調で、株式市場の流動性も著しく向上し、資金源の面でもさらに国際化が進んだ」と述べた。

また、陳長官は、香港の資本市場の発展に向けたポイントとして次の点を指摘した。

第1に、国際環境は依然として複雑で変化に富み、変動は避けられない。他方で、開放的で公平な市場環境を堅持し、絶えず市場改革、市場のインフラ整備と発展を推進するとともにリスク管理を適切に行っていくことで、香港市場は障害を乗り越え前進していくことができる。

第2に、技術革新は加速しており、人工知能(AI)、生命科学、さらには量子コンピューティングなどが経済の競争力を再構築し、株式市場の発展と評価に深い影響を与えている。今後も市場改革を推進し、「同株異権」(注)の枠組みの見直しなどを行うとともに、より多くのイノベーションテクノロジー企業を香港に誘致する。

第3に、香港は「一国二制度」の下、内外を結ぶ独自の強みを有する。また、中国政府による次の5年間(2026~2030年)の計画となる「国民経済と社会発展の第15次5カ年規画」では、高い水準の対外開放が推進される方向性が示されている。香港は、国際金融センターとして、世界各地の投資家やプロジェクトを結ぶ「スーパーコネクター」および「スーパーバリューアダー(Super Value-Adder)」としての役割がいっそう高まるだろう。

なお、HKEXの発表によると、HKEXの唐家成(カールソン・トン)会長も同式典においてあいさつし、「IPO社数は増えているが、審査プロセスを緩和することは絶対にない」とした(「信報」2月21日)。2月27日時点において、足元でIPOを目指す承認待ちの企業は467社、2026年初から香港でIPOを行った企業は31社となっている。

(注)株式会社が他の会社の株式を保有することで議決権を行使することができ、経営に影響を与えることができる状態を指す。

(越川剛)

(香港、中国)

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