日本スタートアップ6社、オーストラリアのメドテック・エコシステムで事業化機会を探る

(オーストラリア、日本)

シドニー発

2026年03月30日

ジェトロは3月10~13日、メドテック・ヘルステック・デジタルヘルス特化のアクセラレーションプログラムとして、「J-Star X Medtechコース」の現地視察をシドニーとメルボルンで実施した。同国は充実した医療技術・研究基盤を有し、高齢化・慢性疾患増加に伴う高度医療の需要増を背景に、関連市場は成長基調だ。またメドテック領域では医療機器・診断技術の開発力に強みがあり、850社超の関連企業が集積し、医療機器市場は2025年に約105億オーストラリア・ドル(約1兆1,655億円、豪ドル、1豪ドル=約111円)と推計される。

本コースの現地視察は2回目となる。前回(2025年10月末)は、エコシステム理解が中心だったのに対し、今回は、参加スタートアップ(SU)の個別ニーズに基づき、KOL(Key Opinion Leader)や専門家とのマッチングを軸に、実践的な構成とした。メルボルン拠点の、Medtech Actuator社の支援で、現地視察やネットワーキング、個別メンタリングを実施し、採択されたSU6社が、大学や研究機関との連携可能性を探った。参加した6社の概要は次のとおり。

  • BiPSEE外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:仮想現実(VR)・人工知能(AI)技術活用のメンタルヘルス解決ソリューションを開発
  • ekei labs外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:高精度DNAメチル化解析による創薬等支援
  • MY ROBOTS外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:遠隔手術支援ロボットを開発
  • PaMeLa(Pain Measurement Laboratory)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:AIとビッグデータで痛みを可視化(測定)できるシステムを開発
  • Splink外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:中枢神経領域でのAI医療機器の開発。
  • ViveSpoon外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:摂食障害向けデジタル治療『Spoon DTx』を開発。

シドニーでは、ニューサウスウェールズ大学と主要病院が連携するイノベーション拠点「Randwick Health Innovation Precinct」を訪問。医療機器開発の支援体制や研究設備の説明を受け、各社が自社事業のピッチを実施。また、南半球最大のヘルスケア展示会「オーストラリア・ヘルスケアウイーク」に参加し、KOLとのマッチングを実施し、医療現場ニーズの確認やIP(知的財産)戦略、規制理解に関する検討などを行った。

写真 ワークショップの様子(Medtech Actuator提供)

ワークショップの様子(Medtech Actuator提供)

写真 Randwick Health Innovation Precinct訪問時の様子(Medtech Actuator提供)

Randwick Health Innovation Precinct訪問時の様子(Medtech Actuator提供)

メルボルンでは、Monash Healthを訪問し、研究支援体制について説明を受けた。臨床・研究スタッフは、各分野で参加SUとの共同研究や臨床応用に前向きな姿勢を示し、分野ごとに個別ディスカッションを実施した。また、プログラム後半に実施された1on1ミーティングでは、参加SUがオーストラリア市場での事業化、規制対応、臨床検証、知財・法人設立といった実務的課題の解決に向け、各領域の専門家と直接対話し、連携機会の具体化を図った。

参加企業からは、「現地メンター、企業、エコシステム関係者との接点を獲得し、事業仮説に対する具体的なフィードバックを得ることができた」「伴走支援および起業後の出資を口頭で確約できた」「試験、費用や設計の実施に前向きな合意が形成できた」といった声が寄せられた。

写真 プログラム参加者のFB Rice訪問時の様子(Medtech Actuator提供)

プログラム参加者のFB Rice訪問時の様子(Medtech Actuator提供)

(林翔太、ストーリー愛子)

(オーストラリア、日本)

ビジネス短信 d6b8561624c51b9e