バンコク病院、東南アジアの精密医療ハブを目指し、先端治療を導入

(タイ)

バンコク発

2026年03月16日

タイの大手医療法人グループ、バンコク・ドゥシット・メディカル・サービシーズ(Bangkok Dusit Medical Services、BDMS)傘下のバンコク病院およびバンコク国際病院は2月25日、東南アジアの精密医療(Precision Medicine)ハブの確立を目指し、(1)脊髄性筋萎縮症(SMA)小児向け遺伝子治療、(2)早期アルツハイマー病向け抗アミロイド療法の2つの先端治療の導入を発表した。両院は、これらの治療が、単なる症状への対応にとどまらず、患者の自立性と生活の質(Quality Of Life、QOL)の維持・向上に重点を置いた治療であると強調した。

脊髄性筋萎縮症(SMA)は、全身の特定の筋肉が弱体化し萎縮(衰弱)する、まれで重篤な遺伝性神経筋疾患群だ。遺伝子治療が、現在最も効果的な治療法の1つとされる。米国では2019年に承認され、タイでも2023年に承認された。一方、アルツハイマー病の抗アミロイド抗体は、アルツハイマー病の初期段階の患者に推奨される革新的な抗体治療だ。遺伝子検査、タンパク質分析、血液バイオマーカー検査、MRIやPETスキャンなどの脳画像診断に加え、専門神経科医、専門看護師、関連医療専門家が連携する多職種チームによる包括的ケアを通じて、より精密な診断と治療を実現するとした。

バンコク病院は1972年に設立された、タイで最初期の民間病院の1つ。タイ人富裕層や外国人患者をターゲットにしたメディカルツーリズムにも注力しており、日本人専門クリニック(JMS)も併設する。また、2025年11月には、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)、Medical Excellence JAPAN(MEJ)の協力の下、バンコク病院本院キャンパス内のワタノソットがん病院において、「バンコクプロトンセンター」の設立計画を公表した。外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます同センターには、住友重機械工業の次世代陽子線治療システムの導入が予定されており、2029年の治療開始を目指し、建設は間もなく開始される見込み。今後も日本の精密医療、先端治療、高度医療機器などの導入余地が見込まれる。

写真 バンコク病院による発表に伴う会見の様子(バンコク病院提供)

バンコク病院による発表に伴う会見の様子(バンコク病院提供)

(上江洲祐貴)

(タイ)

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