タイ天然温泉を活用したウェルネス経済発展へ、政府・民間・教育機関がMOUを締結
(タイ)
バンコク発
2026年03月12日
タイビジネス経済研究開発研究所(The Institute of Business Economics Research and Development、IBERD)は2月26日、タイの首都バンコクにて、政府・民間・教育関連の計8機関(注)と、タイにおける天然温泉資源開発に関する覚書(MOU)を締結した。同MOUの締結は、タイの天然温泉資源を活用した、ウェルネス経済発展を目的とするものだ。天然温泉資源の統合的管理、人材育成、日本を含む他国との情報交換、ウェルネスツーリズム推進に向けたネットワークの構築などにつき、IBERD含む9機関で分担して実施する。対象期間は2026〜2029年の3年間の予定。
IBERDは2024年11月、日本健康開発財団(JPHRI)とも温泉開発に関するMOUを締結している。同MOUに基づき、温泉に関する品質管理、人材育成の知識・経験を日本からも共有の上、連携を進める予定。
式典で講演した、タイ保健省タイ伝統医療・代替医療局のモントカ・ティーラチャイスクン副局長は、国際的なシンクタンクである「グローバル・ウェルネス・インスティテュート」の調査結果を引用し、2024年のタイのウェルネス市場規模は427億米ドルに達し、世界第24位、アジア太平洋地域で第9位と、タイは東南アジアでも重要市場の1つと位置付けられると述べた。さらに同副局長は、世界には6,000以上の源泉がある一方、タイには118カ所の源泉があり、規模としては世界75位とされる点を紹介した。また、日本・ニュージーランドなど温泉先進国と比較すると、観光・医療・地域振興を統合した産業化が遅れているとの見解を示し、国際基準に基づく温泉産業の体系化が必要だと強調した。
タイ政府は「タイを国際医療ハブ(ウェルネス・メディカルサービスハブ)として発展させるための戦略(2025~2034年)(案)
」を発表しており、(1)ウェルネス・ハブ、(2)メディカル・サービス・ハブ、(3)アカデミック・ハブ、(4)プロダクト・ハブ、(5)ヘルス・コンベンション&エキシビション・ハブの5分野を柱に、タイが世界有数の医療・健康サービスの中心地となることを目指す。メディカル・ウェルネス経済の成長を国家戦略と位置付けるタイにとって、天然温泉開発に関する日本の知識や運営ノウハウの需要は今後さらに高まると見込まれる。
(注)タイ天然資源・環境省地下水資源局、タイ保健省健康サービス支援局、タイ保健省タイ伝統医療・代替医療局、プリンス・オブ・ソンクラー大学、チェンマイ大学、ペッチャブリー・ラチャパット大学、タイ商工会議所、タイ工業連盟。
(上江洲祐貴)
(タイ)
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