スイス、EUとの包括的な協定パッケージに署名
(スイス、EU)
ジュネーブ発
2026年03月06日
スイスのギー・パルムラン大統領と欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は3月2日、スイスとEUの関係を深化・拡張する包括的なパッケージ措置を構成する協定に署名
した。包括的なパッケージは2024年12月20日に合意され(2024年12月24日記事参照)、2025年5月21日に主席交渉官により署名、連邦参事会(内閣に相当)が同年6月13日に承認した。連邦参事会は3月中に、「スイス・EU関係の安定化とさらなる発展」パッケージ(第3次バイラテラル協定)を連邦議会に提出する見通し。
このパッケージ措置には、スイスのEU市場へのアクセスを可能にしている、航空輸送、陸上輸送、人の自由な移動、適合性評価の相互承認に関する既存の4つの協定の更新が含まれている。また、食品安全、健康、電力、財政貢献や、衛星測位システム(Galileo)、衛星航法補強システム(EGNOS)に関連する欧州宇宙機関プログラムへの参加、といった新協定も導入される。さらに、農産品貿易協定の紛争解決条項を更新し、スイスとEUがそれぞれ加盟する最新の自由貿易協定(FTA)に整合させる。加えて、パッケージ措置には、紛争解決条項が含まれ、必要に応じて、国家援助規律が適用される。
スイスのEU市場参加を認める各協定は、該当分野におけるEU法の発展を反映し、スイスがそれを動的に適用することを保証するものとなる。連邦参事会は、制度的要素、特に意思決定とEU法改正の動的な導入に関して、可能な限り透明性を確保し、国内プロセスを明確に定義するよう努めている。また議会の関与に関して、意思決定(スイスに関連するEU法の起草への関与)の枠組みにおいて、議会に情報を提供し、協議を行うプロセスに関する具体的な規則を定めるため、議会法に新たな条項(第152a条)を追加することを提案している。連邦参事会はさらに、議会法第152条の枠組みにおいて、制度的要素(EU法の動向の動的な採用、紛争解決および補償措置)に関するさらなるプロセスへの議会関与を確保することを望んでいる。これらを規定する指令は、国民議会(下院)および全州議会(上院)の議長、関係委員会、ならびに議会事務局の関与を得て作成されるとしている。
なお、EUはスイスにとって最も重要な貿易相手で、貿易品目の約60%を占める。一方、スイスはEUにとって第4位の貿易相手国で、第3位の投資国でもある。実績のある2国間アプローチを通じて、スイスEU関係の安定化を図り、さらに発展させることは、連邦参事会の外交・経済政策の中核を成している。
(田中晋)
(スイス、EU)
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