EUメルコスールFTA、メルコスール4カ国での批准が完了

(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、メルコスール、EU)

調査部米州課

2026年03月24日

パラグアイ議会は3月17日、全会一致でEUメルコスールFTAを承認した。3月18日付現地紙「ラ・ナシオン」を含む複数のメディアが報じた。これによりメルコスール4カ国全ての国(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)での批准手続きが完了したことになる。既にアルゼンチンとウルグアイでは2月26日に、ブラジルでは3月4日に批准手続きが完了していた。

3月18日付現地紙「ラ・ナシオン」は、本協定の発効により品目ベースおよび金額ベースで9割以上が無関税化されることから「メルコスールの貿易における大転換点」と報じ、パラグアイからEU向け輸出で、特に砂糖や豚肉などが恩恵を受けると報じた(注1)。AP通信(3月17日付)は、「パラグアイの輸出促進につながる歴史的な協定」と報じた。

メルコスール4カ国とEUは1月17日、パートナーシップ協定(EMPA)および暫定貿易協定(iTA)に署名した。iTAの第23.3条によると、当該協定は、両国・地域が批准書を寄託者(パラグアイ)に寄託した日の属する月の翌々月の初日に効力を生ずる。

欧州委員会は3月23日、iTAが5月1日から適用されると明らかにした。EU側では暫定適用のために必要な手続きを完了しており、よって3月末までに寄託者への寄託が完了したメルコスール諸国とEUとの間でiTAが効力を発揮する(注2)。

メルコスール事務局の統計によると、2025年のメルコスール4カ国の国・地域別輸出では、最大の輸出相手が中国で輸出額全体の27.4%を占める。次いで輸出額が大きいのがEU(14.7%)。中国とEUだけで、輸出額全体の4割以上を占める。次いで輸出額が大きいのは、米国(11.7%)、チリ(3.6%)、インド(3.1%)と続く。対EU・FTAが発効すれば、両国・地域間の貿易はさらに活性化するとみられる。

(注1)豚肉にはメルコスール4カ国に対して関税割当が設定されている。発効年(0年目)は4,167トン、1年目は8,333トン、2年目は1万2,500トン、3年目は1万6,667トン、4年目は2万833トン、5年目およびそれ以降は2万5,000トン。割当数量枠内の関税(従量税)は、1トン当たり83ユーロ。

(注2)iTAの第23.3条によれば、メルコスール側では批准が完了した1カ国から発効できる。

(辻本希世)

(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、メルコスール、EU)

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