タイ商務相、2026年度「国際貿易推進計画」策定に向けた会議を開催
(タイ)
バンコク発
2026年03月25日
タイのスパジー・スタンパン商務相は3月11日、2026年度「国際貿易推進計画」を策定するための会議を開催
した。会議には、商務副大臣、商務省次官はじめ商務省幹部のほか、世界43カ国・地域から58の海外貿易促進事務所が出席した。
会議ではタイの輸出について構造分析を行い、次の課題が指摘された。
- 市場の集中:輸出総額の30%以上が特定市場に依存しており、通商政策の不確実性の影響を受けやすいため、新規市場の開拓が必要。
- 企業の集中:輸出総額の84%を大企業が占めており、16%に留まる中小企業(SME)の国際競争力向上が必要。
- 生産構造:原材料の輸入依存度が高いため、国内調達割合を増やし、「Made in Thailand」を促進することで、国内経済への付加価値創出が必要。
商務省は、貿易促進事務所に対し、主要市場への過度な依存リスクを軽減するため、市場の多様化を並行して進めるよう指示するとともに、世界的な不透明性に対応するため、VUCA〔Vision(ビジョン)Understanding(理解)、Clarity(明確性)、Agility(機敏性)〕戦略に転換するとともに、TAMモデル(注)を導入する。
また、重点市場別の戦略とともに注力製品などにも言及した。
- インドおよび南アジア:現地の地方都市向けの食品、工業原材料、環境配慮型建築資材の支援などサービス業に注力。
- 中国:農産物、食品、ライフスタイル製品の中国西部や内陸部に向けたオンラインチャネルなどによるマーケティングの推進。
- 中東:地域の緊張した情勢に注視しつつ、代替物流ルートを確保し、サプライチェーンの継続性を維持。
- 日本や欧州:外交関係樹立記念に合わせ、より強固な戦略的パートナーシップの確立やタイ製品および文化の普及促進を図る。
- 農産物:今後市場に出回る果物などの農産物の輸出を加速。
- サービス産業:ゲーム・映画などのデジタルコンテンツ、タイ料理レストラン、ヘルス・ウェルネス事業などを、世界市場で収益を生む潜在力の高い産業として重視。
スパジー商務相は、「輸出はタイ経済の原動力であり、急速に変化する世界に適応し、市場拡大、付加価値の創出、タイ企業の競争力支援を積極的に行う必要がある」と強調した。
(注)TAMモデルは次のとおり。
- Think Big:大きな戦略的視点の保持
- Act Small:小さな課題からの段階的解決
- Move Right:臨機応変な適応
(野田芳美、ピンラウィー・シリサップ)
(タイ)
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