在中国日系企業の最大の競合相手は中国企業、性能・品質を強みに価格競争回避図る

(中国、日本)

調査部中国北アジア課

2026年03月25日

ジェトロは3月13日、調査レポート「2025年度 海外進出日系企業実態調査(中国編)」を公表した。本調査は、2025年8月19日から9月17日にかけて、アジア・オセアニア地域(20カ国・地域)に拠点を置く日系企業1万2,900社を対象に実施し、5,109社から有効回答を得たもの(有効回答率39.6%)のうち、中国進出日系企業791社(製造業406社、非製造業385社)の回答結果に絞ってとりまとめたものとなる。

本調査において、2025年の営業利益を「黒字」と見込む在中国日系企業は63.2%で、前年(58.4%)比で4.8ポイント上昇した。また、同年の営業利益見込みを「改善」と回答した企業は32%と前年(24.5%)比で7.5ポイント上昇した。「改善」の理由は約5割が「現地市場の需要増加」となった。なお、「悪化」理由の第1位は「現地市場の需要減」、第2位は「他社との競合激化」だった。

今後1~2年の事業展開の方向性として、事業を「拡大」するとの回答は21.3%と調査開始以来最低水準となった。他方、最も多い回答は64.3%の「現状維持」であり、「縮小」「第三国・地域への移転・撤退」は計14.4%と限定的となっている。「拡大」は、2021年以降4年連続で下落したが、2025年は前年比0.4ポイント縮小にとどまり、下落幅は過去3年に比べ縮小した。

競合先としては、製造業の8割超、非製造業の約7割が中国企業を「最大の競合相手」と回答した(注)。進出先市場での競争への対策としては、「価格の引き下げ」「コスト削減(人件費などの削減)」「進出先の市場ニーズに合わせた製品・サービスの開発」の回答割合が4割を超えた。業種によっては「製品・サービスの多角化」や「現地企業との協業・連携」も重視されている。また、ターゲットとする市場における自社の強みと弱みを聞いた結果(複数回答)を「強みがある」割合から「弱みがある」割合を差し引いたDI値で算出したところ、製造業では、「性能・品質の高さ」や「アフターサービスの充実度」に強みを、「価格」や「市場投入までの速さ」に弱みを感じている企業が相対的に多かった。

中国企業との競争における対応について、ジェトロが3月に在中国日系企業に対し実施したヒアリングにおいても、「価格競争では中国企業に勝てないとの認識の下、性能・技術面で優位性のある製品・技術で差別化を図る」「中国市場は過当競争となっており、家庭用製品では価格面で勝負できないため、より利益を取れる業務用・医療用に注力する」「現下の中国市場では低付加価値なものは安売りされる。健康教室の開催などを通じて健康という付加価値を訴求する」などの声があった。

(注)同設問は、中国企業、地場企業、日系企業、欧州企業、インド企業、米国企業、台湾企業、韓国企業の競合相手(国・地域別)の選択肢の中から自社の進出先市場において競争力が高いと思うものを1番、2番、3番まで選択する方式。

(小宮昇平)

(中国、日本)

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