IAEA、中東情勢悪化の中、放射線レベルの上昇は検出されていないと報告

(世界、中東、米国、イスラエル、イラン、アラブ首長国連邦)

調査部中東アフリカ課

2026年03月05日

イスラエルおよび米国は2月28日、イランに対する攻撃を開始(2026年3月2日記事参照)、これに対しイランから中東諸国の米軍基地や港湾、民間施設などへの反撃が行われている。

国際原子力機関(IAEA)は、3月4日、イランのイスファハーンやナタンズの核施設への被害が見られたと報告したが、あわせて、通常レベルを超える放射線の上昇は検出されていないと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、アラブ首長国連邦(UAE)の原子力発電所、ヨルダンやシリアでの研究用原子炉にも影響がない、とX(旧Twitter)で3月4日に投稿した。

またこれに先立ち、オーストリアで開催された3月2日のIAEA理事会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、イランおよび中東地域で発生している軍事衝突に対し、放射線緊急事態に焦点を当て直ちに対応していると報告された。IAEAの事故・緊急対応センター(IEC)は稼働しており、同地域の安全監視ネットワークは警戒態勢を整え、関係機関と継続的に連絡を取り合っているという。また、IAEAによると、3月2日時点では、イランと国境を接する国々では、通常レベルを超える放射線の上昇は検出されていないとした。

一方、IAEAはIECを通じて、イランの原子力規制当局へ継続的に連絡をしているが、これまでのところ返答がないという。

IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は3月2日のIAEA理事会で、中東地域で攻撃を受けた国々おいても、原子力発電所や研究用原子炉などで原子力を利用しているとし、「すべての関係者に対し、事態のさらなる悪化を避けるため最大限の自制をするよう呼びかける」と述べた。

加えて、グロッシ事務局長は、外交交渉が、イランが核兵器を獲得しないという長期的な保証を得る唯一の方法であり、国際的な核不拡散体制の有効性を継続的に維持するためには、外交交渉が不可欠だと主張した。

中東情勢については、特集「イスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢、各国の反応」を参照。

(井澤壌士)

(世界、中東、米国、イスラエル、イラン、アラブ首長国連邦)

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