中東情勢悪化、中央アジアは物流ルートに影響

(ウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、中央アジア、イラン、中東、米国)

タシケント発

2026年03月03日

イスラエルおよび米国は2月28日、イランに対する攻撃を実施したと発表した(2026年3月2日記事参照)。中央アジアでは大きな混乱はみられないものの、物流ルート見直しや警戒強化など当局は対応に追われている。今後の影響として貨物管理強化の可能性などが指摘されている。

ウズベキスタン外務省は2月28日、声明を発表。中東情勢の悪化により新たな緊張が生じていることに対し「深刻な懸念を表明する」とした上で、政治的・外交的手段や対話による解決が適切であると強調した。シャフカト・ミルジヨエフ大統領は運輸省に対し、イラン港湾を通過しない物流ルートを検討するよう指示した。イランの港湾を通過するルートはウズベキスタンの主要物流ルートの1つであり、トルコと欧州からの貨物の約60%は同ルートを通過する(「Gazeta.uz」3月2日)(2023年12月21日付地域・分析レポート参照)。

カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は2月28日、安全保障会議に対して治安部門と連携して緊急措置の実施計画を策定するよう指示した(大統領付属中央コミュニケーション局発表、2月28日)。加えて治安機関は24時間体制の勤務に移行、政府内では特別監視グループが活動を開始するなど、警戒態勢を強めている。

イランと国境を接するトルクメニスタンでは、トルクメニスタン航空が3月1日、アシガバート・ドバイ線、およびアシガバート・ジッダ線を3月2日から4日まで一時的に運休すると発表した。

今回の情勢が中央アジアに与える影響について、カザフスタン・エネルギー省元顧問のオルジャス・バイディルディノフ氏は、イランが長期で不安定化した場合には中央アジアに難民が押し寄せる可能性があると予測した(「lsm.kz」2月28日)。「ユーラシア・トゥデイ」は3月1日、イラン経由の物流ルート輸送が利用不可となるため、カスピ海を経由して欧州と結ぶ物流ルートが有利になると指摘した。その上で、デュアルユース物資がイランへ渡ることを防ぐため、米国などから中央アジア各国に貨物の透明性向上が求められるだろうとの見解を示した。

(一瀬友太)

(ウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、中央アジア、イラン、中東、米国)

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